10
無事に2階への転移ゲートに到着。
正確には、一度行ったことのある階層なら自在に転移出来るゲートなのですが、
パーティーリーダーが潜ったことのある階層まで、という制限があるので、
下層入り口まで一気に行けるムリアーノさんに甘えることも出来ず。
「スタンプラリー、どうします?」
何ですと?
このダンジョンを管理しているオリベラ冒険者ギルドが、
頑張っている冒険者たちに用意してくれたモチベーションアゲアゲ企画。
それが"ダンジョンスタンプラリー"
階層ごとにふたつある転移ゲートのうち、
入り口側、つまりその階層に降りてきた方のゲートでは無く、
到達したパーティーが初見でひとつ下の階層へと向かうことの出来る出口側。
通称、"第2ゲート"
各階層の第2ゲートの門柱に刻まれている魔導紋章に、
ギルドが配布しているスタンプカードを押し付けると、
その回数や深度に応じてポイントが貯まり、
ギルド特選の豪華景品と交換出来るイベント、だそうです。
……そんなのもアリなのですか、オリベラ冒険者ギルド。
何となく、召喚者発案の企画のような気がしますな。
「スタンプカードは、あちらですよ」
第2ゲートの側にある小さなブースは、オリベラ冒険者ギルドの出張窓口。
受け付けのお若いお嬢さんが、こちらを見ながらニコニコ微笑んでおりますが、
俺にも分かりますよ、その抑えきれない気配。
マジ尋常じゃないですよ、あのお嬢さん……
「ペネトレーアさんは、ああ見えてギルマス直属のベテラン職員さんです」
「ダンジョン探索者として相応しくない冒険者たちが、ちょっかいを出して返り討ちに遭うのがお約束」
「冒険者として守るべき矜持を持ち合わせていない人たちがこの先に進んで無駄に命を散らさないようふるいに掛けるという、ペネトレーアさんらしい優しさ溢れる洗礼儀式ですね」
……スタンプカード、いただいてきます。
「握手やハグをすれば、ペネトレーアさんのより詳しい実力が分かりますよ」
絶対に嫌です……




