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宇宙の動乱

カーネクラウンが大勝を飾り、首都星アルデバードに帰還すると直ぐ様論功式が執り行われた。


宇宙屈指の星間国家なだけあり、論功式一つとっても絢爛であり、戦功者に対しての報奨もまた豪華。


流石に中将への昇格は無かったが、昇爵、領地の加増等により、カーネクラウンは遂に伯爵、そして領地軍とは別に、自身専用の正規軍を持つことが許された。


流石に一個艦隊、12000隻までだが、正規軍の中で自身の艦隊を持つのは侯爵以上の家柄か、帝国宇宙軍中将以上と決まっており、今回の異例の報奨により、実質的には中将と同じ地位に就いた。


近頃、大した戦争がなく、停滞気味だった帝国からしたら、カーネクラウンという若く、それでいて実力のある英雄は歓迎すべきものだった。


実際、今代の皇帝もカーネクラウンを快く思っており、此度の報奨も彼が積極的に推したという。



皇帝からの寵愛を受け、それでいて実力、爵位のあるカーネクラウンという人材は次代の皇帝位を奪い合う継承権保持者達にとって、早急に確保すべきものになっていた。



「カーネクラウン伯爵、少し我が家のパーティーに招かれてくれんかね。君のような英雄を我が家主催の舞踏会に招けたのなら、箔付けができるのだよ、ハッハッハ。」


軽快に誘ってきているこの中年男性はクラウスト侯爵家現当主、アルヴィン・ヒューイ・クラウストである。


そして彼は第二皇女派閥の重鎮であり、こうして誘ってくるのも、彼を第二皇女、ミューシア陣営に招き入れるためであろう。


ミューシア陣営には文官はアルヴィンを筆頭に揃っているものの、主要武官が全くおらず、有力な軍関係者を招き入れる必要が有るのだ。


それを見越したカーネクラウンはやんわりと断りその場を後にする。


その後も各陣営から誘いが来たが、カーネクラウンはそれら全てを断った。


最有力候補とされていた王子が暗殺されたりする帝位争いには、確実と言うことがあり得ず、もし次代の皇帝となった者と敵対する陣営にいた場合、何もかもを失ってしまうのだから、カーネクラウンは中立派に属そうとしていた。



カーネクラウンのように安定を望む人間は多く、実際中立派は文官、武官問わずに多くの人材が集っており、帝国の人材の1/3が中立派とされている。



そんなある日、皇帝クートレンツェが本格的に体調を崩し、長くはないことが周囲に広まると、熾烈な帝位継承争いが始まった。


~~~~


帝国が帝位継承争いにリソースを割き始めた頃、帝国に比する星間国家であるサヒィート連邦と宇宙最大規模を誇る聖ガレック皇国が本格的な衝突に踏み切った。


皇国はその国土の広さ、圧倒的な人口、最新の科学技術により、自他共に認める最大最強の国家として八百年以上君臨してきた覇国であり、対する連邦は、グラビリィージ帝国に比する国力等を有しており、隣に皇国さえなければ、その近辺での覇国となれたであろう。


どちらも強国だが、皇国は宇宙で唯一無二の艦隊ワープ方法を確立しており、それによって通常ならば隣接する星系同士のみを結ぶワープゲートを通って一つずつ星系間を移動する筈なのに、五個も六個も星系をすっ飛ばしてのワープを可能にしている。その為、敵国は突如として現れる精強な皇国艦隊を相手せねばならず、守勢、攻勢問わずに不利な状況に置かれてしまうため、彼の国が艦隊ワープ方法を確立して以来数世紀、一度たりとも勝ちを得たことがない。



各国はおそらく皇国の蹂躙で終わると予想したが、連邦が意地を見せる。

この世界のワープ技術は多大なエネルギーを消費することで超加速を実現するものです。対応するワープゲート同士を通る限定的ワープとされるものが移動手段としてメジャーですが、特殊なエンジンを積んでいて、かつ多量のエネルギーを産み出す特殊な燃料を確保し、十分な強度を誇るシールドを兼ね備えている一部の艦艇は、ブラックホール、恒星付近等、巨大質量が近くに存在する場合を除けば、何処でもワープできる自由的ワープを可能としている。


しかし、後者を実行するには恐ろしくエネルギーが必要で、距離が一つの星系程度しか移動できないため、効率的ではないとされる。



結論、皇国は頭おかしい

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