最終後編
これにて完結です!
最後はちょっと駆け抜け過ぎた感じがあったと思います。
これは断罪シーンを書いてある途中、「アレ?なんか公爵令嬢のシーンと変わらなくなってる気がする」と思ってしまったので、そこを端折ったためですw
要するに自分の文才が足りないってことですね!w
アリスの気持ちが分からなくなって戸惑った日から数日後。俺はローザをお茶に誘うのをやめた。正確にいうと近づくことさえしないように注意している。それによって出来た時間はアリスばかりに使うのも変な噂になっては困るから、他の令嬢ともそこそこお茶をしている。
(これはこれでなんかハーレム野郎みたいな振る舞いで、感じ悪い気もするけど…)
そう男達の思われ、嫉妬を受けないために、令嬢にお茶に誘われた時はいつも三人ぐらいは連れて行く事でそれを回避している。令嬢も一人で待っていることはなかったから、ちょっとしたお見合い席のようになっている。そして嫉妬こそされなかったが、そのお見合いの席で付き合うようになる奴らが出てきてしまい、出会いの場の仲介役みたいに思われ始め、群がる男どもが増えた…。
(下らん嫉妬されるのも面倒だが…これはこれで怠いぞ…。なんでキューピット役なんてしなきゃならないんだ……)
しまいには付き合い始めたカップルの男の中には、俺に恋愛相談までしてくる奴も出てきた…。
「女性の扱いを分かっているようにでも見えてしまったのか?…キャラを作り過ぎたかな……」
こちとら年齢=彼女いない歴なのに…そもそも異性に興味が無いとは言わないが、それを実行に移すような時間は無かったんだよ俺……。
くそぅ…早く行動してくれないかな王子達…。それさえ終わればもう知ったこっちゃないのに……。
そんな非モテなのにリア充みたいな振る舞いは俺の心を削り続け、約一年という長い歳月を過ぎていった二年生の終わり頃…届いた招待状を見て、ここが最後の舞台かな?と悩んでいる。
(ベルンシュタイン公爵が主催する催しか…。娘の晴れ舞台を演出しているようにも見えるが…。問題はこの催しは毎年の終わりに開いているってことだ)
今年にいきなり開催しようとしたのなら、それは婚約破棄を狙ったものだと推測出来るが…。毎年開かれているなら断定は出来ないな。
「だが王子は最早ローザを守れるのは自分だという優越感に浸っているようにみえる。俺を貶める口実は二つしかないだろうが、既に王子の籠絡という目的を果たしているんだから、ここらでくると考えるべきかな?」
公爵自身は知らないが、ローザは我儘放題してきた分気が短いところがあるのは分かっている。そのローザのことだ、早く決着をつけて将来の王妃を座を確実にしたいと思っているはず…。
(ここはくると仮定して動くのがいいだろうな…)
結論が出た俺はとりあえず招待状の返事に出席すると記して送り返す。
いよいよだ―――
一年の終わりにベルンシュタイン公爵が王城の庭の一角を借りて行う盛大な催し。学園の全生徒を招待するこの宴は陛下公認のものだ。主な開催理由はこれから家を継ぐ為に様々な経験をする卒業生の門出を祝うというもの。
「そこに全生徒を招待するとはかなりの金がいるだろうに…。公爵が自分の権力を誇示して地位を固める為にやってるんだろうけど、考え自体は見事だな」
「そうだね〜!私はアインと一緒にいたいだけだから、こんなのどうでもいいけど!」
「!?」
いつの間にか横にアリスがいる!?一緒に来たわけでもない上に、こんな広い会場でどうやって俺の居場所が分かったんだ…?しかも横に来たことに気づかなかったぞ…。
「ア、アリス?いつの間に…?」
「えっ?何言ってるの?私がアインの隣にいるのは当たり前でしょ?」
違う、そうじゃない…。この広い会場で何故俺の位置が分かったのか?と聞いているんだよ…。まあ深く考えるのはよそう。アリスとこれからどう付き合っていくにせよ、まずは今回の件を片付けてからだ。そんな俺の思いに応えてくれたのか、会場に用意されたステージに王子とローザが上がっていくのが見えた。
「ここでやるつもりのようだな…。やっと終われるか…」
隣にいるアリスがなんのことか分からずにいる顔をしているが、俺はここで待ってろと言ってステージに近づいていく。どうせ呼ばれるんだろうから先に行っとこうっと。そう思い会場の中央に移動していると……
「皆、聞いてくれ!今日ここに―――
―――――――一年後。
「ふぁ〜…今日は攻めてこないようだな魔族の連中。さすがにこの間の攻勢での傷が癒えてないのか?」
「どうなんだろうね?でも来ない方がアインと一緒にいられるから私は嬉しいよ!」
あの会場の出来事から一年。俺は無事に卒業してダーウィン領に戻ってきた。あの日のこと正直思い出すだけ馬鹿馬鹿しいものだ…。バカな二人の言葉に次々と反論しては論破して、最後は示し合わせた通りに陛下にお越しいただき、ありえない言葉の数々を並べ立てて俺を貶めようとした王子とローザは、陛下の怒りを買って、廃嫡された王子と没落した公爵家を生み出しただけだった。
俺はその働きを陛下に認められ、陛下が再度強くダーウィン家はこの国を魔族から守護している存在だと知らしめてくれた。お家の格を高めることにも成功して、陛下から恩賞としてダーウィン領に定期的な支援まで約束してもらったから、俺としてはもう言うことなしの成果だ。
―――そうして意気揚々と領地に戻ると待っていたのは両親とノーヴィング家の両親だった。なんでも仲直りしてからアリスからずっと両家にたいして手紙が届いていたらしい。どうしても俺と結婚したいと…。両家の親はアリスが俺から離れたことを知っているだけに最初は難色を示していた。だがそのあまりの熱意に押されて俺がいいというのであれば、結婚を認めるという決断に至ったらしい。
そして俺はそれを認めた。学園で擦り寄ってきた女共に辟易して相手なんていなかったし、なんだかんだ幼馴染で一緒にいても気疲れしないアリスは俺としてもありがたい存在だったからだ。正直女性として見れているか、と問われたら怪しいものだけど、嫌いか?と問われたらそれはないと断言出来る相手ではある。ちょっと気持ちが重過ぎる気はするが……
「そう、だな。アリス、今日はゆっくり二人でデートでもするとしよう」
「うん!」
……―――
その後二人は三人の子供を授かった。そしてアインハルトが在命中はただの一度も魔族が国へ侵入したことはなく、他領から援軍として派遣された兵士達はそのあまりの力と領民を思いやり、家族大事にする姿から『最強の辺境伯』と呼び、その功績を後世にまで讃え伝え聞かせることになる―――
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