第1回 モーゼル 特徴的なハンドガン
リクエストありがとうございます。
モーゼル
Mauser C96
モーゼルミリタリー
ドイツで作られた初期の軍用拳銃。
Mauserの綴りだと、ドイツではマウザーという呼び方ではないかとも言われているけれども、日本ではなぜかモーゼル。
普通のハンドガンは弾丸を納めている部分は握りの部分、つまりグリップの中になる事が多く。引き金より後ろ側に弾倉が存在しています。
このモーゼルは弾倉が引き金よりも銃口側についているという、独特な形状をしているので、銃に詳しくない人でもすぐにわかる特徴的な外見をしています。
グリップの部分も木製だったり、金属製だったりしてしっかりつくってありますから、他の拳銃よりもはるかにゴツイ印象が強く残ります。
オリジナルの弾丸は7.62mm弾をつかっていますが、量産されたモデル、つまりドイツ軍で採用されたモデルは9mmパラベラムを使っています。
これはだれでも名前を聞いた事があるワルサーP38などと弾丸の互換性を持たせるために必要だったからですね。
ゴツイ形状なのか、重心のためなのか、馬上で使いやすいと言われていて第二次世界大戦前は中国の馬賊などでも使われていました。
強盗などにも使われていたというネガティブな側面も持っています。
『モーゼル C96』
これで検索してもらえると画像などもすぐ出てきますね。
見つかる画像の中ではグリップの部分に柄となる器具を取り付けることで、ライフルのように構えて使う事もできるようになるタイプも出てきますね。
馬上で使いやすい、狙いやすいという事にもこうした追加パーツが取り付けられる事もあるのかもしれません。
◇
モーゼルC96は1896年頃に製造がはじまり、40年以上作り続けられていました。生産の総数は100万丁を超え、コピー品や模造品も多数作られていました。
そのため、モーゼルのまがい物も含めるとものすごい数が存在していたことになります。
特に中国ではこのモーゼルが国際取引の禁止項目に入っていないなどの理由で、中国国内に多数流通していきました。
ドイツからの輸入、中国国内での製造、1920年代後半にはスペインからの輸入もされてるようになり、モーゼルタイプと言える拳銃は中国の中でものすごい数が存在するようになりました。
日本は中国との戦線で中国から多数のモーゼルを奪い取ってきました。
ものすごい数があったにも関わらず、将校達の私物になったり、個人で隠していたりとされてしまい全てが明るみに出る事はありませんでした。
後々になって遺族が発見したり自主的に警察に持ち込まれて『日本が戦争で徴収してきた物かもしれない』という形で再発見される事も珍しくない銃です。
中国から奪い取ってきたモーゼルは日本軍からは「モ式大型拳銃」と呼称されるようになり、1940年からは日本国内でも生産されるようになりました。
ドイツで製造が始まった頃に遅れる事約45年、国内の警察機関などでも配備されるようにもなってくるようになりました。
意外と日本国内でも作られたり、使われたりという事は知られていませんね。
それも日本国内では銃は流通しませんし、本当に厳しく規制されていますから、日本人は拳銃に相対する事がほとんどありません。なので、情報も流通しないという訳ですね。
中国で日本軍が戦争や争いで触れ、国内でも製造や流通がされていたモーゼル。
銃と接する事が少ない日本人にとっては珍しく、接点が多い拳銃とも言う事ができます。
裏を返せば、モーゼルは日本人が撃たれた経験が最も多い銃とも言える拳銃かもしれません。
どうやら、日本国内ではご婦人の方々でもこの拳銃の扱いを訓練していた事もあるらしい。