第9回 PP-90 ボックスマシンガン
お久しぶりです!
PP-90
KBP PP-90
ロシアで作られていたサブマシンガンです。
9×18mmというソビエト連邦では定番ともいえる銃弾を使っていました。
この銃の最大の特徴は収納したときはハンドバックサイズの鉄の箱になると言う事です。
つまり……
『あれ? あの人武器持ってないぞ!』
なんて、危険という印象を周囲に抱かせる事がありません。
映画とかでもパソコンケースみたいな銀色の箱がパカッとひらくと、グレネードランチャーが登場したりします。
腰に付けていた長方形のボックスの一部を動かしたら、銃口がオープンして弾丸をばら撒いてくるなんてシーンもありますよね。
そんなロマンなシーンを現実にさせたのがこのPP-90です。
そもそも銃を偽装するというアイデアは古今東西様々に考えられてきました。
銃の歴史を見てみると、フォークやナイフなどの食器にしたり、ボールペンにしたりと自然を装った不自然な外見をするものまで沢山あります。
PP-90は銃身を真っ二つに折るようにして、その間にトリガーやマガジン部分を収納できるという、キャンプやバーベキューで活躍する折りたたみテーブルのような機構を持っています。
そのため、外見はただの箱。ストラップで肩にかけるもよし、小脇にかかえるもよし、違和感なく持ち運ぶ事ができます。
重さも1.83キログラムと2リットルペットボトルよりも軽くてかさばらない特徴をもっています。
弾数は30発、フルに撃ち続ければ3秒程度で空になってしまいますが、とっさの防衛には十分な弾数です。
PP-90は要人警護などの任務や、極秘の潜入などの特殊任務を行う部隊に配備されました。
箱の状態から射撃可能な状態にまで解放させるまで、慣れたら2秒程度で済みますから、そこから1分間で600発ペースの銃弾が吐き出されます。
威力的には十分ですし、相手はこちらが銃を持っているとは思ってもない訳です。
後の先という立場でありながら、不意打ちをすることができますね。
後にアメリカなどでもこの銃の影響を受けた、偽装型のマシンガンが登場してきたようですが、射撃可能な状態にするまで早くても5秒程度を要したようで、PP-90程スムーズな動きは再現できていませんでした。
こうした銃に見せないという偽装は最初は有効でした。
ですが、この銃が防衛などに使われている以上、敵側も『あの箱は銃に変わる、気を付けろ』と学んでしまうようになります。
そうなると、普通に銃を持ち歩いている方がスムーズに射撃ができますし、威圧する効果もありますからわざわざ隠すという意味が無くなって行ってしまいます。
実際、ロシア側でもPP-90がバレていると気が付いたらしく後継となる銃の開発を進めましたが、もう「箱型銃」ということが知られているので、折りたたみこそ出来るものの、箱型などの偽装には執着せず、銃としての威力の高さや、持ち運びやすさに重点がおかれるようになりました。
やっぱり、ばれてしまっては特色の偽装の効果が大幅ダウンなんですね。
変形!
フォームチェンジってかっこいい!!




