表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺だけ見える好感度システム  作者: クソラノベ量産機
1/24

第1話 俺だけ見える好感度システム

ラブコメを書こうと思います。

 俺の名は篠原直人しのはらなおと、高校二年生だ。

好きな幼馴染みの川城綾音かわしろあやねに告白する勇気も無くギャルゲーのキャラで似ている娘ばかり攻略し続けてきた。


「うわっ、お兄ちゃん……またギャルゲーやってるの?」


「別にいいだろ、俺の勝手だ。」


この娘は俺の妹キャラ、じゃなくて妹の篠原紬しのはらつむぎだ天真爛漫で俺とは違い誰とでも仲良くなれる言わば陽キャってやつだ。


「ゲームも良いけど友達の一人くらいは作っておいた方が良いよ?」


「余計なお世話だ、大体俺に友達なんて……ん?」


「どうしたの、お兄ちゃん?」


俺は妹の頭の上に五つのハートが横並びに浮かび上がっているのが見えていた。


「何だ、これ?」


「お兄ちゃん……?」


浮かび上がったハートに触れようとするがすり抜け妹の頭を俺は撫でていた。


「えへへ、くすぐったいよお兄ちゃん。」


その五つのハートは左から三つ程ピンク色のハートで残りのハートは黒色だったのが、左からピンク色のハートが四つに変わっていた。


(これって、好感度システムってやつか?)


「お兄ちゃん、どうしたの?」


「俺疲れてるみたいだから、もう寝るよ……。」


「もう? まだ十時なのに珍しいね、おやすみ。」


「ああ、おやすみ。」


幻覚まで見るなんて完全にゲームのやり過ぎだな、ゆっくり休んで体調を万全にしないとな。


翌朝、妹の頭上には四つのピンク色のハートが浮かび上がったままだった。


「なあ、紬……頭のそれ見えてるか?」


「頭? あっ!」


(気づいて無かっただけだよな? 俺だけに見えるわけじゃないよな!?)


「寝癖ついてる! ありがとう、お兄ちゃん! このまま学校に行くとこだったよ解かしてくるね。」


どうやら、見えていないようだ。

(俺、もしかして何かの病気にでも発症したのかな?)


学校へ登校している最中、やはり妹と同じように女性キャラ、じゃなくて女子生徒の頭上にもハートマークが見える。


その光景を見ていると後ろから声をかけられる。


「直人、おはよう! 何突っ立ってんの?」


「あ、あ、おはよう! 綾音……さん。」


声をかけてきたのは、幼馴染みの綾音だった緊張のあまり声が裏返り変な声で挨拶をしてしまう。


「変な直人、ほら早く教室に入らないと遅刻しちゃうよ!」


俺はメインヒロイン、じゃなくて幼馴染みの綾音の頭上にもピンク色のハートが三つ程浮かび上がっているのが目に見えた。


綾音に促されるまま、教室へと俺は入り窓際の自分の席につくと何時も隣で顔を赤らめながら俺に話しかけてくる女子生徒、荒木時雨あらきしぐれから声をかけられる。


「お、おはよう……直人君……。」


「ん、ああ……おはよう。」


「ふへっ……、今日も直人君と挨拶しちゃった……。」


相変わらず何を考えているのか分からないが、時雨の頭上を見てみると五つのハートマークが全てピンク色になっていた。


(まさか、このハートマークが好感度システムだとすると時雨って俺の事好きなのか?)


そんな事を考えていると授業のチャイムが鳴り、教科書を机に出すと隣の席の時雨は机をくっつける。


「あの、教科書……忘れちゃって……。」


「またかよ、これで何回目だ?」

(これもう絶対わざとだろ!!)


俺は時雨から何度も教科書を忘れたと言われて仕方なく見せるが、斜め向かいの席に座っている綾音はこちらを睨みつけプイッと黒板を見るのが日課のようになっている。


(何だ、綾音のハートマークが二つに減った?)


綾音の方を見ていると時雨が頬をプクッと膨らませながら俺の制服の裾を引っ張ってきた。


「どうした? ああ、次のページか。」


「………ほしいのに。」


時雨はボソッと何か言ったようだが、よく聴き取れなかった。

時間が経ち昼食の時間となり、俺は購買部へ昼飯を買いに行くと苦手な先輩に出会す。


「お、篠原じゃないか! アンタも昼飯買いに来たのか?」


「まあ、そんなとこ……ところで、この腕退かしてもらって良いですか?」


この先輩、松林利香子まつばやしりかこは初対面の相手にもこんな感じに馴れ馴れしく未だに俺は馴れない。


「何だよ連れないなぁ……、先輩が後輩とスキンシップとんのは常識だろ? 一緒に食おうや!」


「はぁ、分かりましたよ……食べ終わったら教室に戻ってくださいよ?」


因みに先輩の頭上のハートマークは三つ程ピンク色になっている。


「おお! 直人、今日はAランチとBランチどっちも美味そうだぞ! あたしはAにすっから直人はBな! 良いだろ?」


「ああもう! 分かりましたよ!! そんな背中バンバン叩かないでください!」


男勝りなとこが有り、本当に女の子なのか疑いたくなるが仕方なく先輩の気迫に押されて俺はBランチを買って二人でおかずを交換し合って食べる事になった。


「んー、このエビフライ美味いなー! ほら直人も食ってみ?」


「いや、それ食いかけ……。」


「何だよ、あたしのエビフライが食えないってのか?」


「分かりましたよ……じゃあ、徐々に顔に近付けてくるの止めてくれます?」


「あたしが食べさせてやろうってんだから、大人しく口を開けなって! 減るもんじゃ有るまいし!」


何を言ったところで無駄と観念し、俺は先輩から食べかけのエビフライをあーんする。


「しょうが無いな、あーん。」


「どうだ、美味いだろ?」


(うわっ、唾液が冷えてなんとも言えない味をだしてる……さっさと食っときゃ良かった。 何気に好感度増えてピンク色のハートマーク四つになってるし……。)


「また、あの先輩だ………あいつよく耐えられるな。」


「きっとあれだよ、愛の成せる業だよ。」


「知ってるか? あれで付き合ってないんだぜ?」


周囲の生徒達からは言いたい放題言われるが事実、この先輩と俺は付き合ってはいない、寧ろ付き合いたくない。


昼食を食べ終えた俺達は、それぞれの教室へと戻って行く。


「いやー、美味かったな! また機会があれば交換し合おうぜ!」


「機会があればな。」

(いい加減、関わりたくねえ。)


こうして放課後になり妹が教室まで迎えに来て、一緒に帰宅するのが俺の一日である。


「お兄ちゃん、迎えに来たよ! 一緒に帰ろ!」


「分かった、分かった! そんなに引っ張んなって!」


さて、明日からこの好感度システムについて調べてみるかな。

お読みいただき有難う御座います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ