1-10 【君を救うと心に決めて。】
10話、一章ラストです。
「リーナも最初は全く笑顔を見せなくてね。」
「えっ?そうなんですか?」
「この子は元々孤児でね、リーナが6歳の時に私が引き取ったのよ
最初はずっと部屋の隅で丸くなってろくに食事もしてなかったね
でも、次第にうちに来る客や町の人と触れ合ってくうちに笑顔を見せてくれ
るようになってね、今じゃ元気すぎるぐらいでさ。」
「そうだったんですか…」
「あの!実はちょっと相談があって…。」
「また明日な!今日はもう寝な!あんたも一様病人なんだから!」
「そうですね!じゃあお休みなさいー」
「はいよ!」
なんだかお母さんみたいな人だったな……。
「それで?話って?」
「はい、実はとある少女に出会ったんです。 最初はなんとも思わなかったんですけど
よくその子を見ているうちになんだか寂しそうで、孤独を感じたんです。」
「へぇーで、その子を救いたいと?」
「なんでわかるんですか?」
「そんなもんお見通しさぁ!あんたが考えてることくらいわかるわよ!
伊達に今まで生きて来たわけじゃないんよ!」
「さすがです! それで俺はその子の住んでるとこや性格は疎か
名前すら知りません。 でも、その子言ってたんです!もう誰にもたよらない
って!人を信じないって! でも…彼女の目はいつも暗いままです
どうにかしてその子を救いたい!、いやもっと幸せになってもらいたいんです!」
「………人を救うことは容易じゃない、ましてやほとんど会ったこともないような人を
助けるのは不可能かもしれない、 でもできないってわけじゃない、その子への
思い、助けてあげたいって思う気持ち、それを高く持ちな!どんな困難があろうと
守りぬく、それが人を救うってこと。 あんたがその子に想う気持ちは嘘じゃない。
君はその子を救う覚悟はあるのかい?」
「はい!もう決めました!昨夜俺は考えました、あの子が笑って過ごせる未来を
ありがとうって言ってもらう未来を、そこまで行かなくてもとにかくあの子に
幸せになってもらいたい、ただそれだけだけど、俺は助けてやりたいです。」
俺はロザリオおばちゃんに強く言った。
それを聞いたロザリオおばちゃんは少し呆れていたような気がしたが
それでもさらにこう俺に言ってくれた
「ふっいいじゃん?その気持ち絶対忘れるな!いつでも前向いて歩きな!
下向いたらあんたもそれでアウトになっちまう、彼女を救うんなら
前向いて頑張りな!」
「はい!きっと彼女を救ってもう一度ここに来ます!」
「いつでもウェルカムだよ!」
いつでも俺は楽な方を選んでいた、でもここに来て生まれて初めて守りたい、
救いたいと思う人ができた。 初めて苦難の道を行く俺は大丈夫だろうか?
でも、そう決めたのは自分だ、何があっても何度でも抗ってやる!
一章のストーリーが終わりました。 (バックアップデータが消えて超焦ったのはヒミツ)
あとは一章総編集とキャラ紹介です。