プロローグ
西暦3572年。人々の平和の街、《ダムール街道》
今から、約2年前に小国・オペラの中にある
この街は、隣のシェンブルン帝国にオペラもろとも支配されていた。
シェンブルン帝国とオペラの戦争は、残酷すぎるものだった。
オペラは、人々の安全を最優先し、国民のために命を絶った。
一方、シェンブルン帝国は、誰も見たことのない機械・道具・動物を扱い、
無情にも、多くの命を奪った。
そんなシェンブルン帝国のなかに、ひときわ目立つ動物がいた。
その名は、《スペルタン》。
小国・オペラの人々は皆、絶望と憎しみに呑まれ、
何もかも諦めていた。
ある時だった。
シェンブルン帝国の皇帝が、何者かに殺害された。
大きな男が、皇帝の首を掲げ、戦争の終わりを告げたのだ。
小国・オペラ、ダムール街道に平和が戻ってきた。
まだ、この戦争には謎が残っている。
---------なぜ、シェンブルン帝国は小国・オペラを狙った?
---------なぜ、シェンブルン帝国は、誰も見たことのない動物。スペルタンを従えた?
---------一体誰が、皇帝の首をとった?
この謎に触れることなく、時は流れていき、戦争の爪痕はだんだんと消えていった。
道には、連絡などができる大きくて鮮やかなオレンジ色のクリスタルが置かれ、
天には、飛行船が当たり前のように大空を埋めていた。
今の小国・オペラ、ダムール街道に、あの時の苦しみは、もう、ない。
しかし、運命の悪戯だろうか。
誰かに意図的に仕組まれたものだろうか。
また、あの時の悲劇の歯車が、ゆっくりと回りだした。