表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

いつものこと

 雛紅は服に付いた土を叩き落としながら立ち上がる。立ち上がっても雛紅の身長はグランディの膝にも届かなかった。

 グランディはしゃがんで雛紅のことを覗きこんでいる。

「ごめんなさい。私このマントよく落とすの」

「もう良いわよ。ケガもなかったし」

「ホント? ケガがなくて良かった」

 ホッとしたグランディは立ち上がろうとして、頭上の木の幹に思い切り頭をぶつけた。頭を抱えて再びしゃがみこむ。

「ちょっと大丈夫?」

「う、うん。いつものことだから……」

 グランディは伏せていた顔を起こして、雛紅に微笑む。

「ありがとう、えーと……」

 グランディは雛紅を見て、困ったような顔をした。

「ああ、私の名前? 名前は雛紅。龍谷雛紅よ」

 雛紅が名前を答えると、グランディの顔が明るくなった。

「ありがとう雛紅ちゃん」

 グランディはそう言って、再び立ち上がる。

「あ! ちょっと!」

 雛紅に止める時間はなかった。

 同じ場所で立ち上がったグランディは、また同じ幹に、同じ頭をぶつけ、そして同じようにしゃがみこんだ。

「……そこで立ったらまたぶつけるのは当然じゃない」

 雛紅は呆れた目でグランディを見た。

 グランディは救いようがないほどのドジっ娘だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ