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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

セクシャルラビリンス

作者: 上村華月
掲載日:2011/10/14

俺は高校3年のサブちゃん。所属はラグビー部。ボーイズラブだ。

部活の後のシャワーは、メンバーの鍛えられた体に下半身が反応してしまうため自粛をすることにしている。


ラグビーくらいの触れ合いがちょうど良い。柔道にも手を出したことはあるが、刺激が強すぎてちょっと無理だった。飛び散る汗、寝技での密着、香る体臭。今思い出しても一種の衝動が電流となって、体を熱くするのだ。


 

 そんな俺には何故か付き合って1年になる同級生の彼女がいる。俺のやさしいところが好きらしい。人生勉強としてでいいから付き合ってと強引に言われたで、彼女の気持ちを尊重すべく何となく付き合っている。


 名前は沙耶香、今日は彼女の家に来ている。

「サブちゃんさ、この服どう思う?」

雑誌を持ち出して俺に聞いてきた。

「えーっと、沙耶香にはよく似合うと思うよ。」

但し俺は洋服にはほんとに興味がない。

「何にその答。サブちゃんボーイズラブなんでしょ。だったらもっとテレビに出てる人みたいにアドバイスちょうだいよ。」

沙耶香はずっと勘違いをしている。テレビに出ているボーイズラブの人はたまたまファッションに詳しいボーイズラブなのであって、ボーイズラブ全員が洋服に詳しいかといえばそうではない。しかも彼の場合ボーイズラブというか双子のオカマのメガネの方である。だけど、俺は沙耶香の期待にこたえるべく、ボーイズラブ業界の面子を保つためにも必至に考えた。

「沙耶香は色が白いからさ、ちょうど秋冬流行のこんな色の服が似合うと思うよ。」

「やーっぱりぃ、私もそう思ってたんだ。」

何とか面目は保てたようだ。


「ねぇ、私の友達が彼氏に二股されてるみたいなの、私友達に何て言ってあげたらいいかな?」

「それは良くないよね。彼氏の事好きなのは分かるけど、他にもいい男いるよってのはどう?」

「何にその答。」沙耶香は怒っている。

「サブちゃんボーイズラブなんでしょ。だったらもっとテレビに出てる人みたいにアドバイスちょうだいよ。」


またこれかよ。確かにテレビに出てるボーイズラブというか大柄の女装家は人生経験も豊富で、いいこというけどさ、俺は彼とは違うのに・・・。いいこと言うからテレビに出れるのであって、いいこと言えないボーイズラブの方が多いのに・・・。


「えーっと、二股くらいなんなのさ、私なんて五股されてたことあるわよ。けど絶対めげちゃだめ。わかった?」

何かちょっと嫌になって適当にそれっぽく答えてみた。

「きゃははは。」沙耶香が横で笑い転げている。

「サブちゃん面白い。きゃはは。」


こういう時なぜ自分は付き合っているのか本当に良く分からなくなる。彼女の言う俺のやさしさっていうのは、彼女の要求を全て呑めるということなのだろうか?



「なぁ沙耶香、俺たち何で付き合ってるの?別に友達でもいいんじゃないのかな?」

そしてこう続けた。

「俺は沙耶香に人生勉強のために付き合ってって言われたのまだ覚えてるんだ。だってそれまで誰からも告白されたことなんてなかったからさ。沙耶香のことキライじゃなかったし、むしろ感じのいい子だって思ってたから、女の子だったけど、俺ボーイズラブだけど付き合うことにしたんだ。」一言ひとこと言葉を確認しながら真剣に話した。

「けど、沙耶香はボーイズラブについて何か勘違いしてないか?」



「好きだからに決まってんじゃん。」しばらくの間の後沙耶香は怒った。顔が真っ赤になっている。

「私はサブちゃんが男の子が好きでも何でもいいの。サブちゃんだったらそれでいいの。サブちゃん私にあんまり興味ないかもしれないけど・・・。だって女だから。」

「だけど私はサブちゃんのこと好きなの。」沙耶香は声を大きくして、目から大粒の涙が頬に流れている。

「私は女で男になれないの。それはほんとにしょうがいないけど。けどボーイズラブって私なりに研究してるの。テレビとかネットでね。それは分かって欲しいの。」

「少しでもサブちゃんのこと分かりたくて・・・。だけどボーイズラブ話をする度にサブちゃんの答って私のとは見当違いなことばっかりで、最近サブちゃんがどんどん遠くなっていく気がして寂しいの。」



二人はしばらく沈黙した。沙耶香は俺の横でまだ泣いている。


「キスしようか。」

俺の口からふとこの台詞が出た。


そしてちょっとの間キスをした。



良く分からないが、女の子にキスをせがんで、キスをした。

「もう一回しようか。」



またキスをした・・・。




この日は1時間位キスをしたと思う。

帰り道、俺は一人歩きながら、頭がぼーっとしている不思議な感じを覚えている。だから何を考えてたのかとかはよくは覚えていない。ただ空の高いところが鮮明な夕焼けだったことは覚えている。それと沙耶香との心地よかった時間がとても愛おしかったって感じていたと思う。


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