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追放されたけど、歩いてるだけで世界が楽になるらしい ~追放=失敗だと思ってたら、 一人になった瞬間から成長速度がおかしくなった件~  作者: 蒼井テンマ


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第7話 何かが、噛み合わなくなった

 同じ頃。


 別の街道沿いで、ガルドたちのパーティは戦っていた。


「ブラム、前に出すぎるな!」


「分かってる!」


 剣と魔法が交錯する。

 相手は中型魔獣。

 以前なら、問題なく対処できた相手だった。


 ――だが。


「っ、回復が遅い!」


「待って! 今、詠唱が……!」


 エリスの魔法が、わずかに遅れる。

 ブラムが舌打ちし、体勢を崩した。


 リーナが慌てて回復を飛ばす。


「大丈夫!?」


「……ああ」


 何とか魔獣を倒す。

 だが、全員の息が荒い。


「……時間、かかりすぎたな」


 ガルドが低く言った。


 討伐自体は成功。

 だが、以前より明らかに効率が悪い。


(おかしい)


 ガルドは内心で思う。


 戦力は落ちていない。

 むしろ、数値上は改善しているはずだ。


 なのに。


「……次の分岐、どっちだ?」


 ブラムが地図を見て首をかしげる。


「え?」


 ガルドも地図を覗き込む。


 印が、少ない。


「……この辺、こんなに曖昧だったか?」


 エリスが眉をひそめる。


「前は、もっと細かく書かれてたはず」


 一瞬、全員が黙った。


 名前は、出なかった。


 だが、同じ人物の顔が浮かんでいる。


「……先に進むぞ」


 ガルドはそれ以上考えないようにした。


 無駄な感情だ。

 必要ないと判断して、切った。


 それだけの話――のはずだった。


 街に戻り、ギルドで報告をする。


 受付の職員が、首をかしげた。


「あれ?

 今回は、少し時間がかかってますね」


「問題はない」


 ガルドは即答する。


「討伐は成功している」


「ええ。ただ……」


 職員は書類を確認しながら続けた。


「以前より、被ダメージが増えてます。

 回復回数も」


 ガルドは、わずかに言葉に詰まった。


「……そうか」


 事実だ。


 リーナが、申し訳なさそうに言う。


「ごめんなさい……私、前より忙しくて」


「君のせいじゃない」


 ガルドはそう言ったが、

 胸の奥に、引っかかるものが残った。


 宿に戻った夜。


 ガルドは、一人で装備を整えながら考える。


 索敵が、遅い。

 罠への反応が、鈍い。

 戦闘前の準備が、雑になっている。


 以前は、当たり前のように整っていた部分。


(……役に立っていない、と思っていたが)


 思考が、そこで止まる。


 否定するように、ガルドは頭を振った。


「判断は、間違っていない」


 そうでなければならない。


 数字で見えない貢献など、評価できない。

 それが、自分のやり方だ。


 だが。


 ベッドに腰を下ろした時、

 ふと、思ってしまった。


(あいつがいた頃は……

 こんな無駄、なかったな)


 その考えを、ガルドはすぐに打ち消した。


 後悔ではない。

 ただの、錯覚だ。


 そう、思いたかった。

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