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役に立たないと追放された主人公が、 実は“行動=経験値”という規格外成長で、 世界の基準そのものを置き去りにしていく話  作者: 蒼井テンマ


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50/60

第50話 呼ばれなかった日

 翌朝。


 レンバートは、いつもと変わらない顔をしていた。


 荷車が通り、

 商人が値を交渉し、

 冒険者が掲示板を眺める。


 どこにも、特別な気配はない。


---


 アレンは、掲示板の前に立った。


 新しい依頼。

 更新された仮判断。

 昨日の案件の結果。


 そこに、自分の名前はない。


 当然だ。

 最初から書かれていない。


 だが――。


「……終わりましたね」


 小さく、呟く。


「何が?」


 ミアが隣に立つ。


「昨日の件です」


「ええ」


「僕がいなくても」


「ええ」


---


 昼。


 ユーノが、報告を持ってくる。


「北、問題なしです」


「そうですか」


「封鎖、少し不満出ましたけど」


「はい」


「でも、崩れませんでした」


 少し誇らしげな顔。


「よかったですね」


 アレンは、穏やかにうなずく。


---


 ユーノが去ったあと。


 ミアが、ぽつりと言う。


「あなた、複雑な顔してる」


「……そうですか?」


「嬉しいけど、少し寂しい顔」


 図星だった。


---


 宿の裏庭。


 木箱に座り、空を見上げる。


「……呼ばれない」


 言葉にしてみる。


 以前なら、安心だった。


 今は、違う。


「役目が、減った気がします」


「減ったのよ」


 ミアは、あっさり言う。


「でもね」


 一拍置く。


「役目が減るってことは、

 その分、残ったってこと」


「……残った」


「あなたがいなくても回るって、

 証明されたのよ」


 アレンは、静かに息を吐く。


---


「ねえ」


 ミアが、少しだけ真面目な声になる。


「もし明日、誰も呼ばなかったら」


「はい」


「それでも、歩く?」


 少し長い沈黙。


 風が、葉を揺らす。


「……はい」


 ゆっくりと、答える。


「今度は」


「?」


「困っている場所を探すためじゃなく」


「うん」


「**ただ、見に行くために**」


---


 夜。


 日記に書く。


> 呼ばれなかった

> 回っていた

> それでも、歩きたいと思った


 依存ではない。

 必要でもない。


 それでも歩く。


 その理由を、

 初めて自分で選んだ気がした。


 呼ばれなかった日。


 それは、

 失われた日ではなく、

 選び直した日だった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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