三章 ~アネルマ~ (5)
「ねえねえ、フィリフィリとカルブラはどういう関係なの?お姉さんに言ってみ~ほれほれ。」
森へ向かう途中、グレンダがうざがらみをしてくる。もうちょい緊張感もてよコイツ。無視しようとしたが、以外とガランとニックも興味をもってそうだったので仕方なく答える。
「フィリには類い稀な魔法の才能がある。それを知って俺がフィリを旅の途中で仲間に誘った。それだけ。」
フロリスでの詳細はあまり話せないからな。まあ嘘はついてないしこんな感じでいいだろ。
「え~本当にそれだけかな~。フィリフィリの顔赤くなってるけど?」
「そっそんな赤くなってないですよ。ていうかその呼び方なんなんですか?」
それは俺も気になってた。
「え~可愛いじゃん、フィリフィリって。せっかくだし仲良くしようよ~。私のこともグレちゃんって呼んでいいよ。」
「じゃあ、グレちゃんで。」
呼ぶんだ。なんだかんだで年の近い女性とのふれあいは楽しいのかもな。
「俺をカルブラって呼ぶのは今すぐやめろよ。グレンダ。」
「ノリ悪いなー、カルロは。」
「いい加減緊張感をもて、お前ら。もう西地区に入るぞ。」
俺たちは昨日ぶりにアネルマの西地区までやってきた。ここから先はいつ魔獣に遭遇してもおかしくない。
「一旦手分けして熊の魔獣がいないか見て回るか?」
「そうだな、すでにヤツが降りてきてる可能性もある。とはいえ一人になるのは危険だ。二組に分かれて捜索するぞ。俺とニックで一組、グレンダとブライトとフィリウスで一組だ。いいな。」
「了解。」
何かあったら魔法で大きな音をたてるように約束してそれぞれ捜索を始める。倒壊した建物や時には死体を横目に街を回っていく。
「どうかしたの?カルロ。」
少し考える仕草をしたことをフィリに問われる。よく見てるなあ。
「昨日ガランは、魔獣が頻繁に出入りするようになって死体の回収もままならない、って言ってただろ?」
「うん。」
「それにしては魔獣に出会わなすぎな気がしてな。」
捜索を始めてから五分ほど経つが、一向に魔獣に会わないどころか、気配すら感じない。ガランたちの方からも特に戦闘音は聞こえてこない。
「タイミングが合ってないだけなんじゃない?それか今は警戒してるとか。ほら昨日魔獣に襲われたときガランさんが攻撃してたし。」
まあその可能性も全然あるが、なんか引っかかるんだよなぁ。
「そうだな、理由はどうあれいないんなら仕方がない。そろそろ合流場所まで戻るか。」
俺とフィリが話してる間暇だったのか、倒壊した建物の瓦礫で遊んでいたグレンダに声を掛け、さっきガランたちと分かれた場所まで戻ることにした。…そのとき、突然ドーンという大きな音が鳴り、ガラガラと建物が崩れる音がし始めた。ようやく出たか。
「カルロ、今のって…」
「本命がいるかはわからんが、とりあえず向かうか。」




