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三章 ~アネルマ~ (1)

「さて、まずは情報収集でもするか。」


 アネルマに到着した俺とフィリは、熊の魔獣について話しを聞こうと街を回ってみるが…


「全然人がいないね。」


「そうだな。まだお昼前だし、普通ならもっと人通りがありそうなものだが。それだけ魔獣を警戒しているってことなんだろうな。」


 にしても警戒しすぎな気がしてしまうが。とりあえず、人から話しが聞けないなら実際に見てみるしかないな。魔獣がどこを拠点にしているかはわからないが、熊さんに出会うのは森の中だろ。俺たちは森に向かって進むことにした。




「何っ!?これ…ひどい。」


「なるほど、ここまで被害が大きいとは、あれだけ警戒するわけだ。」


 森に近いアネルマの西地区にはかなりの被害が出ていた。目の前には崩壊した家屋の破片や、荒らされた畑の作物、武具や防具の破片などが散乱している。それにこの腐臭、まさか死体の回収もできていないのか?


「君たち!!こんなところで何をしている!危ないぞ!」


 突然声をかけられ振り返ると、若い青年がこちらに向かって来ている。服装から彼が警備隊であることが見てとれる。どうやら見回りをしていたようだ。


「この辺りは危険だ。安全なところまで案内するからついて来なさい。」


 俺たちは話しを聞くため、彼に案内してもらうことに。と、その時、突如脇道から出てきた魔獣が、彼を目掛けて襲いかかってきた。俺は防御魔法・壁を彼の前に展開するが、その前に魔獣は攻撃魔法で弾き飛ばされた。


「危なかったなぁ、新人。あんまり一人で突っ走るんじゃねぇぞ!」


「ガランさん、ありがとうございます。しかし俺は彼らを早く保護しなければと思って…」


「その保護する相手に守られてたんじゃぁまだまだだな。」


「えっ?」


 青年はそこでようやく俺の防御魔法に気づいたようで、恥ずかしくなったのか、顔をみるみる赤くしていった。


「やるなあ坊っちゃん。コイツを助けてくれてありがとな。」


 ガランと呼ばれた男は、がたいのいい大柄の男で、その大きな手で俺の頭を撫でながら礼を述べた。


「これくらい別に、それよりこの街で何があったか聞かせてくれないか?」


 俺の言葉にガランと青年は顔を見合わせる。


「わかった。でもここは危険だから、集会所に行ってから詳しく話してやる。」

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