二章 ~セブクロスト~ (14)
俺とフィリは互いにシャワーを済ませる。今さらだが、五十近くの男が未成年の女の子と同じ部屋に泊まるのは、アウトな気がするが。まあでも街はいろいろ壊されてるし、一部屋でも今日泊まれる宿があって良かったと思わないとな。幸いベッドは二つあるから、俺の中の何かが間違いを起こすこともないだろう。
「今日は疲れたし、もう寝ようか。」
横のベッドで明らかに緊張しているフィリに声をかけ、明かりを消して早々に寝ることにする。
…疲れてるはずだが中々眠れない。旅をはじめてまだ二日だが、かなり濃い二日間だった。さすがに明日はゆっくり休むとしよう。
そんなことを考えていると、横のベッドからフィリが起き上がる音がした。フィリもあまり寝つけないようだ。まあ長いこと寝てたし当然か。すると突然フィリが俺のベッドに入ってきた。
「!?どうした、フィリ?眠れないのか?」
女性と一夜を共にするのは何度も経験があるが、こういった状況はいくつになってもドキドキするものだな。まあ未成年相手にさすがに間違いは起こさないけど。
「何も…しないの?」
前言撤回、間違いを起こすかもしれない。いや前言撤回じゃねぇよ。びっくりした。フィリもそういう年頃だし、興味はあるんだろうな。女性に恥をかかせる訳にもいかないし、俺はこういうシチュエーションでは引かない男だが…。俺はフィリの方に向き直す。
「フィリ、悪いが成人するまでは何もしない。」
別に今の俺は十四歳だから、フィリに手を出しても問題はない。でも俺は魔王を倒したら死ぬつもりだ。俺が死んでもフィリの人生は続いていく。なら俺に依存させ過ぎるのは良くない。俺が死んだ後のフィリの人生に、俺は責任が取れないからだ。
「そっか…ごめんね、変なこと言って。」
「いや、嬉しいよ。それだけ俺を信頼してくれてるってことだろ。それと、勘違いして欲しくないから言っておくけど、フィリに魅力がない訳じゃないから。今も普通に勃ってるし。」
「たっ!?そ、そうなんだ…。」
フィリの視線が一瞬俺の下半身に向けられ、フィリは顔を赤らめる。気を遣おうとしたら完全にセクハラになってしまった。
「とにかく、今日は何もしないから、ちゃんと寝ようか。」
「うん、わかった。でも…今日はこのまま、一緒に寝てもいい?」
かわいい。素直にそう思ってしまった。
「いいよ。おやすみ、フィリ。」
「おやすみ、カルロ。…。」
俺は最後にフィリが小さくつぶやいた言葉を聞き逃さなかった。
「成人したらいいってことだもんね。」
早く魔王を倒さないと、俺の自制心がもたないかもな。




