二章 ~セブクロスト~ (7)
油断していたわけじゃない。コイツがただ者ではないことは直感的に感じていた。しかしここまで強いとは。
「さっきまでは様子見だったのか?攻撃を捌くので手いっぱいだ。」
「嘘つけ、まだまだ余裕のくせに。」
たしかにまだ余裕はあるが、それはコイツも同じだろう。ただいくつか崩せそうなポイントはある。一つはコイツが俺に直接触れないようにしていることだ。人間の体は軟弱だからな、炎に触れるだけで火傷するのだろう。もし生理的に触れたくないとかだったらめっちゃ傷つくなぁ。
もう一つはあの嬢ちゃん、嬢ちゃんへの攻撃意識を示したら明らかに雰囲気が変わったからな。何かしらのアクションを起こせば崩せそうではあるが…先ほどのコイツの言葉、本当に目を離したら死ぬんじゃないか、そう思わせるだけの圧がコイツにはある。まああの嬢ちゃんはまだ戦い慣れてなさそうだし、コイツを倒すことに集中すればいいな。
俺は両腕を体の前にもっていき、攻撃を防ぎながら大技の準備をする。コイツは炎に触れないようにしている、なら炎で包み込んでしまえばいい。
「炎獄!!」
炎獄、相手を炎で包み込む俺の必殺技。炎魔法は離れた位置に留めておくのが難しく、魔法を留めるには火種となるものが必要になる。しかし俺なら火種なしで炎を留められる。それに火力も他のヤツらとは一味違う。人間と比べ強靭な体をもつ魔族でも、俺の炎魔法を食らえば火傷を負う。が、コイツはこれじゃあ倒せない。俺は炎獄に突っ込む。
「ハッ、やっぱり防御魔法で守ってやがったな。ならこれぶっ壊して丸焼きにしてやるよ!」
とはいえ、俺も長時間炎獄の中にはいられない、それにここで勝負を決めれるほど甘い相手でもないだろう。俺の目的は別にある。それはコイツの体力を削ること。コイツは異常に汗をかいている。まあこれだけ炎の近くで戦い続けてるんだから当然か。このままなるべく長く炎獄の中にコイツを留めて、体力がなくなったところで勝負を決める。




