二章 ~セブクロスト~ (1)
セブクロストはおしゃれな街といった印象だ。人気のファッションやスイーツのお店などがあり、多くの若者が遊んだりショッピングしたりしに集まる。今はまだ陽が登ったくらいの時間なので人通りは少ない。
「とりあえず開いてる飲食店探すか。こんな早くからやってるとこがあるかわかんないけど、お腹空いたからな。」
俺たちは昨日から何も食べてない。お腹空きすぎて逆にお腹空いてない状態も過ぎて、今は普通にお腹が空いている。
駅から五分ほど歩くと、シャイゼリヤという二十四時間営業の飲食店を見つけた。店名からして異世界人が経営しているのだろう。ゼリヤなんてあのゼリヤしか知らないからな。シャイゼリヤはどうやらチェーン店で、王都を中心にどんどんと勢力を広げているが、まだフロリスやロカレスタには届いていないみたいだ。
二人で店内に入ると中にはすでに数人のお客さんがいて、本を読んでいる人や何か手作業をしている人もいる。元の世界のファミレスと同様に長期滞在可能なようだ。店員さんはホールに一人、キッチンに一人とこの時間はツーオペで回している。ホールの店員さんの案内で席に着くと、俺とフィリはそれぞれ注文する。料理はすぐに運ばれてきて、どれも満足のいく美味しさだった。安くて速くて美味い、やはり異世界でもファミレスは素晴らしい。俺とフィリは食事をすませると、他のお店が開くまで他愛もない話をしたり本を読んだりして時間を潰す。
やがて少しずつ人通りも増えてきて、どのお店も開店し始めたようだ。俺たちはシャイゼリヤを出ると、まずは近くの服屋に向かった。
「フィリはどんな服が着たいとかあるか?」
「えっと…今まであんまり気にしてなかったからわかんないなぁ。あっでもこの服かわいいかも、こっちのもかわいい。」
フィリはいろんな服を見て楽しそうにしている。やっぱり女の子だな。前の世界でも女性と服を買いに行くと、それだけで一日潰れたりしてたからな。俺一人で買いに行ったら五分で済むのに。
「うーんでも、どれも高そうだしこういうシンプルな服で大丈夫だよ。」
「遠慮しなくていいよ。フィリの好きな服を選んでくれ。」
「でもカルロに買ってもらうのに申し訳ないよ。」
「俺がフィリに着て欲しいんだよ。絶対似合うから。もちろんそういうシンプルな服も似合うと思うけどね。」
これは気を使っているとかではなく、本当にそう思っている。かわいい女の子がかわいい服を着て楽しそうにしている、それだけで男は癒されるのだ。フィリは顔を赤らめながら、わかったと納得してくれた。それからフィリは試着をしながら数着の服を選んでくれた。試着の度に感想を求められたが、それくらいはそつなくこなす。女性とのショッピングデートは何度も経験してきたから楽勝だ。
この店で買い物をしていた他の女性客や店員さんたちからは、子どものカップルがデートしててかわいい~、といった感じで見られていたが、前の世界での年齢足したら、俺もう四十八歳なんだよなぁと思うと妙に恥ずかしかった。




