一章 ~フィリシア・フィリウス~ (5)
「まさか俺の動きに反応してくるとは、変に強いせいで顔面に入っちまったな。」
俺は気絶するプロイドの止血をしながら話しかけるが、目を覚ますことはなく完全にのびているようだ。
「カルロ、ありがとう、すごく強いんだね。」
「これくらいフィリもいずれできるようになるよ。それと君を助けたのは俺の都合だから礼はいらない。」
「それでも、ありがとう。」
本当に礼を言われることではないんだけどなぁ。彼女にはこれからつらいことをさせるつもりだし。
「そういえば、カルロが私を欲しい理由ってなんなの?」
「ああそっか言ってなかったな。」
ごまかして連れていくこともできるが、途中で知るよりは始めから目的を知ってもらっていた方がいいだろうな。
「俺の目的は魔王を倒すことだ。君にはその目的のために協力してもらう。」
「えっ!?魔王?を倒す?そっそうなんだ…」
なんか若干引いてないか?とはいえ今の戦いを目の当たりにして本気なのかもしれないとも思っている感じだな。まあ今はそれでいいか。
俺はプロイドを担いでフィリと一緒に屋上のドアから建物の中に入る。一階から外に出ようと階段を下りているとフィリが聞いてきた。
「ねぇ、ソイツのことはどうするの?最初に言ってたように私が売られようとしてた組織に売る…とか?」
たしかにそれも一つの手だとは思うが、コイツの実力なら無理やり部隊を抜け出して復讐しにきてもおかしくないからな。フィリの心配を除くためにもコイツにはより重い罰を受けてもらおう。
「ちょっとした知り合いがこの街に来てるみたいだからその人に頼んでみるよ。少し時間がかかるだろうから、フィリは広場で待っててくれ。」
「ちょっとした知り合い…か。何か考えがあるってことだよね?ならカルロを信じるよ。」
フィリは笑顔でそう言ってくれた。助けたことで俺のことはある程度信頼してくれているようだ。一階に着き建物の外に出ると、俺はフィリと別れこの街の東側へと向かって行った。




