覚えとけ
読きを読んでくれてありがとうございます!
僕と彼との幼少期のお話。 人間の人間が見えてくる。
登場キャラクターの説明だけで、敷延しているだけだと思う。
ここらからは本題に入ろう。
僕がまだ、一色しか染まっていない時の物語。
思慮判別がつかず、明るい色しかなかった頃の僕。
僕と彼は常に共にしていた。 今とは相対的な彼だが、しゃにむしていた事が絵であった。
彼は画家である「ピエール・ボナール」が好きで、ボナールの色彩、マルト(ボナールの妻)への愛を絵で表すことに彼を虜にしていた。
彼には彼だけの世界が水平線のように広がっており、理解できない領域まで彼は大人びていた。
それもあってか、あまり周りからは好かれなかった。
内向的で、そんな彼にも信念があり、優しさの塊だったと僕はそう思う。
小学生だとは思えないだろう? 逆に僕は野球しかなかった。
いろいろなことに興味を持ち、好きな人はころころ変わり、いかにも小学生。
でも、僕にも信念がある。 「どんなことがあっても、悪口を吐かない。」
君たちはなぜ雲泥の差があるのに、共にしていたのだろうと思ったに違いない。
僕と彼には、唯一共通していたことがある。左利きだってことだ。
「そんなこと?」と君は思っただろう。だが、この物語を向きを気にして読んでほしい。
小学六年生、僕の中に村時雨のように、知らない色が混じりだした。
学年が上がってすぐに、転校生がきた。 ここではT君としよう。
彼は異様な雰囲気があり、近ずきがたい存在だった。
二か月が経ったころ、T君はいじめらていた。
見た目で判断するルッキストしかいないのかと思うほど、皆T君を他人のように扱っていた。
だが、彼だけは違った。 彼はT君をいじめず、T君を助けた。 感心されるかと思えば、逆に彼がいじめられた。 彼もT君と同じ扱い。
これが皆の考えに大きな影響を与える。
助けたら自らが犠牲になる。自らを守るならば、助けるべきだ。いや、助けるべきではない。
僕はこの状況を理解できず、皆に問う。
「なぜ、彼とT君をいじめるのですか? 彼らが何をしたっていうのですか?」
案の定、僕がいじめられた。 読者も薄々きずいていたと思う。
でも、こんな世の中はおかしい。 先生に助けを呼ぶが意味もない。
この考えは伝統というほど人間=唯我独尊。 僕はこのどす黒い色にただ染まっていくだけだった。
「彼とT君はどうなった?」と思うが、彼は不登校。
T君はいじめる側へとなりあがっていた。 こんな世の中は不条理だ。
でも、変わることはない。 人間は最終的に自分が一番なのだから。