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さよならはしたくない  作者: 西埜水彩
たこしょうかい
2/12

梶井小那愛について 2

「かほっちもメイクしてみる? 落ちついた色のメイク用品を使うのが似合いそう。かほっち、絶対可愛くなれる」


 月杏(るあん)は雑誌を見ながら、メイクの話をする。


「そうだよね。かほちゃんはメイクをした方が可愛くなれる」


 小那愛(さなあ)も月杏に同意する。


「そうかな?」


 私は2人の意見をスルーして、雑誌を見る。


 この雑誌は月杏がモデルをしていることもあってか、よく見ることが多い。


 でも私はあまりこの雑誌が好きじゃない。


 メイクで可愛くなって、あわよくば素敵な彼と付き合う。その考え自体、今は普通ではなくなっている。そりゃあ色々ある意見の1つではあるけど、それだけが正しいってわけじゃない。


 でもこの雑誌では色々情報が載っているわりに、そこら辺は多様じゃない。可愛さと異性愛。それら2つの強制が私にとって苦しい。


「そういえばせっかくだし、雑誌にコーデの写真を2人とも送ってみない? さなっちとかほっちは可愛いから、きっといけるよ」


「私はいいよ」


 月杏の提案を私は受けない。多様じゃないところに私の写真が載っている、それを想像するだけで嫌だ。


「私もやめとく」


 小那愛も乗り気じゃないみたい、その事に少し驚く。


 小那愛は基本的には月杏の言いなりみたい。メイクやおしゃれ、それ以外のこと。全て小那愛は月杏、月杏が出ている雑誌から影響を受けている。


 小那愛はほとんど考えない。それで月杏の話も、雑誌の考え方も受け入れることができる。私とは違って。


「さなっちは可愛いから大丈夫だよ。かほっちだって可愛いし、2人とも問題なし。それに卒業したら会えなくなるでしょ。だから3人の思い出としてやってみたいなと思うの」


「じゃあいいよ」


 落ちついた月杏の声に、小那愛は自分の意見を変えてしまう。


 本当に小那愛は考えない。


 世の中他人の言うとおりにしたら楽だけど、それで良いわけじゃない。


 だから小那愛はもう少し考えて、月杏とは違う風に生きる必要があるんだ。


 そのことに小那愛、気づけているかな?



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