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さよならはしたくない  作者: 西埜水彩
たこしょうかい そのさん
12/12

梶井小那愛について 4

 梶井小那愛(かじいさなあ)は変わっていると思う。


 梶井さんは東京出身なのもあって、都会的でおしゃれだ。


 先生にバレないくらいのうすーいメイク、あたしにはやり方が分からないほど凝った髪型、そしてあたしが見かけたことのない素敵な文房具やハンカチ。それら全て梶井さんだから似合っている。あたしじゃ絶対似合わない。


 あたし達が通っている銀花(ぎんか)女子高校は雪木(ゆくのき)高校の滑り止め目的以外はいいことが何も分からないほど、地味な学校だ。そこであたしのような産まれてからずっと雪木市と姫海村以外は旅行では行かないような子ばかりいて、おしゃれな子というよりも素朴な子しか基本的にはいない。


 だからこそ梶井小那愛はこの学校では浮いている。


 梶井さんは友達がいなくて、休み時間はずっとスマートフォンをいじっている。派手で明るい子達ともつるまず、梶井さんはずっと1人だ。


 でもそんなことあたしには関係ない。あたしにはココという友達がいて、おしゃれに興味がないから。ずっと梶井さんとは関わらないもんだと思っていた。


 このときまでは。


「えっとバスケ部の新入部員は、梶井さんと佐々木(ささき)さんです。よろしくお願いします」


「梶井小那愛です。バスケットボールは初心者ですが、これから頑張ります。よろしくお願いします」


「佐々木藍子(あいこ)です。姫海中学出身で、バスケ部に入っていました」


 なんと梶井さんはあたしと同じくバスケットボール部に入ったのだ。


 この学校のバスケットボール部の人数は少ない。3年生が受験に専念とかいう理由で部活を辞めたらしく、2年生が2人しか今いないらしい。そんな小さなチームに都会で暮らしていた梶井さんが入るなんて予想外だったから、びっくりした。


 とはいえ梶井さんはバスケがすごく上手というわけじゃないみたい。元々バスケ部に所属していたあたしや先輩についていくのが精一杯という感じで、それでなぜバスケをしたいのかがあたしにはよく分からない。


 でも人数が足りないバスケ部なので、梶井さんがいないとかなり困る。そこで同じ1年のバスケ部員として、梶井さんと関わることは増えた。


「来週は心愛(しんあい)学園高等部と咲樂(さくらく)女子高校の合同チームとの練習試合があります」


「心愛学園は私が通っていた学園です。そこのバスケ部に友達がいます」


 その言葉を聞いて、なぜ梶井さんがバスケをしたいのか分かったかもしれない。


 友達と一緒にバスケをしたいからだろうか? バスケは1人じゃあできないだから、部活に所属するしかない。


 そこで友達のために、梶井さんはバスケ部に入ったんだろうな。



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