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さよならはしたくない  作者: 西埜水彩
たこしょうかい
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梶井小那愛について 1

「今月の私服企画、ルアンはガーリーなんだ」


「学校の友達がかわいいから、その子に負けたくないと思って」


 わたしはさなっちのことを思い浮かべる。


 さなっちは可愛い服を着ることが多いし、メイクも上手。もしさなっちがモデルをしたら、わたしよりも多く雑誌に写真が載りそうだしピン企画やピン表紙もたくさん任されるに違いない。


 だからわたしはさなっちよりも可愛くいたい。わたしは幼稚園児の時から芸能活動をしているうえに、ある雑誌の専属モデルに選ばれたし、さなっちは一般人。その違いは大きいはずだと信じたいから。


「ふわふわのニットのワンピースにロングブーツで、メイクはいつもよりも控えめ。ルアンっぽいカジュアルさが今回薄めだから、もしかして思いっきりガーリーな友達がいるってこと?」


「そうそう」


「ルアンが認めるようなガーリーな子が思い浮かばない。ていうかうちのガーリー担当よりも可愛いの?」


「分からないけど、そんなときもありそう」


「えーそれはないんじゃない? 雑誌に出てくる子よりも可愛い一般人はいないよ」


「えーでもさなっちは可愛いよ」


 わたしはさなっちの写真をカヅキに見せる。


 白のニットにピンクのワンピースというふんわりとした可愛いファッションの上、淡いピンクメインのメイクをしたさなっち。これならきっとカヅキも可愛いと思ってくれるはず。


「確かに可愛いけど、他人の影響を受けすぎているかもしれない。メイクはハサ、服装はオトソの感じがすごくする」


「そうかな?」


 ハサとオトソは雑誌におけるガーリー担当で、基本的には可愛さを売りにしている。その2人の影響がさなっちに出ていないわけじゃないけど、ガーリーというよりもギャルっぽいカヅキに言われてしまうほど露骨とは思わない。


「大丈夫だよ。ガーリーでもカジュアルでもルアンって感じがするから。友達よりもルアンの方が勝っているよ」


 カヅキがなぐさめてくれるけど、なんかもやもやする。


 ハサやオトソのコピーじゃないところがさなっちにはあるはずだ。ただそれをわたしが上手くつたえることができないだけで。


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