指輪 ～空の下で～
恋愛に、年の差を感じた事はありますか？
彼からのメール…
そう…
私が、仕事中でも携帯を手放さない事を知っているから。
こっそりトイレに行ってメールの確認をした。
「今日は、寒いね」
ぱたっ
それだけかよ！
冬で朝早いんだからあたりまえじゃない…
素直になれない私…
本当は、嬉しいくせに強がってばかり…
私の彼は、年上
ちょっとおやじ入ってるけど…
ビールは、飲むし…
煙草も吸う…
デートの時は、昼間からだって平気で飲み始める。
そろそろ注意しなきゃ
でもね…
私は、気に入ってる。
だから…
彼なんだけど…
なんのとりえもないただのおやじ…
でも…
私の何倍もロマンチック。
時々のサプライズに驚かされてしまうし…
恥ずかしがる私に平気で手をつなぐことをせがむ。
恥ずかしがって手を出せない私に決まって一言いう。
「おばか」
私は、恥ずかしがりやでいつも目がすわってない。
まるで…
挙動不審。
きっと警察さんが私を見たら…
職務質問されるかも…
彼の目をまともに見ることさえ恥ずかしい…
手なんか繋げない…
恥ずかしくて…
でも…
彼の声を聞くと落ち着く…
笑い声も好き…
本当は、甘えたい
本当は、ぎゅってされたい
でも…
恥ずかしさが邪魔をする。
あと…
こんな私でいいの？
本当に私でいいの？
少しだけ
臆病になっている…
恋をするのは、はじめてじゃないけど…
いままでの恋は、捨てられないようにしていただけみたい…
彼と会ってから空が好きになった…
仕事で疲れた私にまたメール。
また トイレに行って確認。
「指輪のサイズは？」
いきなりいわれたって…
知るか！
彼は、疲れているはずなのに…
いつも
冗談で笑わしてくれる。
おやじギャグだけど…
本当は、自分のためだけにやさしいのが普通なのに…
彼は、私のためだけにやさしい…
休みだって私より少ないのに…
今までの恋は、愛してるって言ったことがない。
名前を素直に呼べないし…
怖いから…
また…
辛くなりたくないから…
おいでって呼ばれても
怖くて行けない…
信じて
信じて
信じて
裏切られたから…
尽くして
尽くして
尽くして
捨てられたから…
人をもう愛せないの…
また、メール…
トイレに駆け込む私。
「愛さなくていいよ」
んっ？
また…
終わりなの？
もう…
恋なんて絶対しない！！！
「さよなら」
って 返信した。
しばらくの時間が空いた。
辛かった…
携帯を見ていてもメールは、こない…
終わったんだ…
終わったんだ…
自然と涙が止まらない。
職場の中で泣けないから…
休み時間に走って行った。
公園に向かって…
騙された…
裏切られた…
もう…
恋なんてしない！！！！
なんとなく…
空を見上げた…
あの声も…
あの笑い顔も…
もう…
終わり…
苦しい…
苦しい…
苦しい…
あんなに好きだったのに…
愛したかったのに…
キスしてよ！
抱きしめてよ！
でも…
素直になれない…
怖くて…
公園で、目がはれてしまう位泣いた…
涙で…
もう…
空が見えない…
あなたと出会った時大好きになった空が…
もう…
見えない！
見えない！
見えないんだよ！
携帯の振動が伝わる…
「ペアリングこれでいいよな」
送ってきた写メにならんだペアリング。
デートの時…
私の指にって…
「入らなかったら違う指にな…」
「お前…ゆび太いだろ…」
うるさーい！
「俺なんか愛さなくていい…」
「俺が、お前を愛すから！」
また…
あの声を聞ける…
笑い顔を見れる…
ねえ…
信じていいんだよね？
大好きでいいんだよね？
甘えていいんだよね？
公園のブランコに座った私は、空に向かって…
叫んだの…
愛してます！
愛してます！
愛してます！
あなたを！
最後まで、読んでくださってありがとうございます。
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天川つばさ
