復讐者-9 『ロボットに死の概念は、存在しないらしい』
この作品を楽しんでくれているファンの為に、頑張りますよ。
私の唐割りが目の前の機械人形を頭から股先まで真っ二つにする。
その際、頭部に内蔵されていたであろう魔石が砕けているのを確認する。
魔石は魔物の核と呼ばれる存在で、それを破壊されれば、HPの有無に関係なく絶命する。
つまり、それはこの戦闘は私の勝ちで終わったということを意味する。
私は大きく安堵の息を吐きながら、野太刀を鞘に収める。
その行動に合わせる様に、称号『アン・ボニー』の効果が切れる。
MPが勿体ないので、称号『メアリ・リード』も一緒に切る。
「さて、此処は何処だろう?」
私は今現在いる場所を確認すべく、倒した機械人形が視線を切る。
その時、死んだはずの機械人形の左腕に装着されていた鋼鉄の巨腕が動き、私の体を拘束する。
「な!?」
巨腕から複数のチューブが接続された注射器が射出され、私の首や顔、至る所に突き刺さる。
「・・・・・歯を食いしばれ。チート野郎」
「あがっ!?」
まるで時を巻き戻すかのように、二つに割かれた機械人形の体が再び一つになり、驚く私の口に巨大なドリルのような槍先を突っ込む。
「危なかった。もし、お前が唐割りでなく、左胸と右肩に内蔵していた魔石を切断する薙ぎ払いをやっていれば、損傷を治せず、部位破壊ダメージでそのまま確実に死んでいた」
「ふがが・・・」
興奮状態なのか、自身が生きていた理由を勝手に解説する機械人形。
てか、魔石3つって、チートはどっちよ!!
このままでは死ぬ。
そう感じた私は、左巨腕から伸びる爪の拘束から逃れるべく、力を籠めようとするが、びくともしない。
「無駄だ。一撃必殺武器である『竜撃砲槍』をゼロ距離から当てる為だけに製造した大爪『女郎蜘蛛』の拘束からは逃げられない」
こうなったら・・・・。
残りのMPだと、これで使い切ってしまうがやむを得ない。
私は、チートスキル『霧化』を使って逃れようとしたその時、
「え・・・」
私の視界がぼやけて、スキルが発動しなくなる。
なにこれ・・・・。
驚く私に、機械人形の鉄面皮が嗤ったように見えた。
「ようやく『毒』が効いたようだな」
毒?
まさか、この注射器が・・・・
いや、ありえない。
スキル『毒無効化』を持っている私に、すべての毒は効かないはずだ。
そんな私の考えを否定するように、機械人形が答合わせだとばかりに疑問に答える。
「振動波」
?
「お前に打ち込んだ毒の正体だ。今、現在お前の体には、毒水と一緒に超振動波を流している。それがお前の筋肉を硬直させるだけでなく、三半規管と耳石器に不規則な振動を与えることで、眩暈と吐き気を与えているんだよ。乗り物酔いと同じ原理・・・いや、注射器を耳骨に直接打ち込んだから、それより強力だろうな」
「な!?」
「いくらスキル『毒無効化』を持っていようと、振動波は無効化できないだろう。その証拠に、意識がうまく保てず、手動スキルである『霧化』を発動できないだろう」
コイツ・・・・。
「では、答合わせもすんだ所で、1回、死んでみようか」
ぼやける視界で、右腕に持った突撃槍がスパークを放ち始める。
口から切っ先を除けようとするが、外れる気配はなく、逆に、口内の歯と肉がドリルよって削り取られる。
「腸・・・・いや、脳をぶちまけろ♡」
そのサディスティックな発言と共に、轟音が響き渡り、私の頭部が文字通り弾け飛んだ。
コメントって、貰うとやっぱり嬉しいですね。
それが好コメントなら、なおさら。
やる気に繋がります!!




