放浪者-15 『VS狂戦士』
開錠した扉から現れた少女が振り下ろした野太刀を俺は咄嗟に大盾で受け止めるも
「ガァァァァァァ!!」
「っ!?」
ナンツー馬鹿力だよ!?
少女が膂力に任せて強引に野太刀を振り下ろし、盾ごと俺を吹き飛ばす。
俺の体が後方の壁に激突する。
「大盾をワンパンで粉砕するとか・・・どんな腕力してんだよ」
俺は咄嗟に彼女のステータスをスキル『世界眼』で確認する。
固体名 瀬之口美由紀
種族 真租 LV50
魔石ランク S+
職業 剣姫
ステータス
HP:25009/70000
MP:80000/80000
ST:60000/60000
物理攻撃値:50000(通常時)、99999999(アン・ボビー発動時)
物理防御値:20000
魔法攻撃値:50000
魔法防御値:19000
敏捷値:30000
スキル
『剣神術』、『超縮地』、『思考超加速』、『抜刀』、『吸血』、『契約術式』、『水魔法』、『氷結魔法』、『眷属召喚』、『闇魔法』、『消音』、『霧化』、『捕食』、『胃酸強化』、『毒無効』、『餓門』、『夜目』、『MP自動回復』、『HP自動回復』、『麻痺無効』、『睡眠無効』
称号
『ファラリス』、『エリザベート・バートリ』、『アン・ボニー』、『メアリ・リード』、『エカチェリーナ2世』、『始皇帝』
状態
『狂乱』
俺以上のチート性能だろうとか、なんで髪が白髪なんだ!?とか本来ツッコミたかったが、ある疑問がそれを押しのける。
「瀬之口!?なんで、お前が此処にいるんだ!?」
やっつけ具合に俺は少女ことかつてのクラスメイト・瀬之口に問いかけるが、瀬之口の耳には届かないのかミサイルキックを繰り出す。
下着どころか外套下に何も履いてないこともあって、見ちゃいけない物が見えるが、眼に焼き付けている場合ではない。
「っ!?」
9999万という馬鹿げた攻撃力を2度も受けきれない判断した俺は、敏捷値10万を持つウルフモードに形態を変化させ、その攻撃を躱す。
「おい!!ちょっと待て!!瀬之口!人間ではないが、俺だ!犬井巧だ!!」
俺は瀬之口の強烈な攻撃を躱しながら叫ぶが
「がぁぁ!?」
彼女は聞く耳もとんと言わんばかりに野太刀で自分の腕を切り落とす。
突然の行動に驚く俺の視線の先で、夥しい血によってできた血の水たまりから血の槍が複数生成され、俺目掛けて発射される。
「おいおい!?ずる過ぎるだろ!それ!?」
一撃でHPが全損させられる物理攻撃に加えての遠距離攻撃。
ゲームなら、間違いなく一発で弱体化補正されるバグキャラだ。
俺は彼女から距離を取りながら、発射される槍を躱す。
とにかく弱点はないのかよ。
俺は、スキル『世界眼』であの馬鹿げた物理攻撃力の原因である称号『アン・ボニー』を始めとした称号を調べる。
称号『アン・ボニー』
獲得条件:ステータス差が10倍以上の魔物から1万体以上の食料を奪取すること
効果:残存するHPを半分消費する代わりに、平均物理攻撃力を1分間だけ上限である9999万にカンストさせる。再使用までに30秒のインターバルが必要。
称号『ファラリス』
獲得条件:666時間以上、魔物の中で生存すること
効果:背中から生やした炎の牡牛に血肉を喰わせることで、自身の欠損部位を超速再生する。
称号『エリザベート・バートリ』
獲得条件:1万体以上の魔物の血肉を食すること
効果:目に映る血液を操作する
称号『メアリ・リード』
獲得条件:称号『メアリ・リード』を獲得する
効果:HPが半分以下になった時、発動。自身を中心とした半径50mに『魔法発動無効化領域』を自動展開される(MPがキレるまで効果は持続する)
称号『エカチェリーナ2世』
獲得条件:ステータス差が10倍以上の魔物の討伐する
効果:状態異常『狂乱』になる代わり、MP,SP消費が0になる。『狂乱』が続く限り、効果は持続する。使用制限は1日1回
(『狂乱』:思考能力が低下し、攻撃一辺倒になる上、敵味方の判別が出来なくなる)
称号『始皇帝』
獲得条件:魔神『波潤』を討伐する
効果:HPが1になった時、発動。MPの続く限りどんなダメージを受けても生き残る。ただし、発動するとあらゆる状態異常とバフがすべて解除される。
流石、称号ぶっ壊れすぎだろ。
称号の数は俺より少ないが、すべて戦闘系に特化している上に、これ以上ないほどの組み合わせ。
近接戦最強といっても過言ではない。
だが、無敵というわけではない。
「まずは、『狂乱』を解除させてもらうぞ」
作戦①:称号『アン・ボニー』発動中は、敏捷特化のウルフモードで回避を優先しながら、遠距離攻撃を加える。
作戦②:称号『アン・ボニー』発動が切れ、インターバルの30秒間に攻撃特化のタイガーモードで一気にHPを削り切る。
本来なら、作戦①中は回避に集中したいが、HP自動回復がある以上そんなことは言ってられない。
称号『始皇帝』の効果でHPが全損しようと、死なない為、遠慮はいらない。
殺すつもりでいく。
説得はそれからだ。
そう決めた俺は、『アン・ボニー』がキレたタイミングで、タイガーモードに形態を変えて空間収納から斧を取り出し、瀬之口の頭に振り下ろした。
稚拙でも何らかのコメントをくれると嬉しいです。




