放浪者-5 『喰えないなら、移植すればいいじゃない』
評価者、増えないかなと期待しながら、ほそぼそとやっていきます
体長2メートル半もある蜂の群れを巨大蟷螂は群がる蜂をその両手の鎌で迎撃しているのを発見する。
コイツ等、初めて見た時もそうだがいつも争っているな。
蜂と蟷螂って、相性悪かったけ?
そんな感想を抱きつつ、俺は新兵器『異世界版仕様のウォーターカッター』の標準を蟷螂の頭蓋にセットし
「死ね。チート蟷螂」
毒水のレーザーを発射する。
プシュッという微細な音が漏れるが、戦闘に夢中な蜂と蟷螂は気付かない。
毒水のレーザーが蟷螂の頭蓋を撃ち抜く。
「さぁ、回線開始だ!!」
俺は追撃として、そのレーザーをそのまま下におろそうとするが・・・・
「え?」
頭を撃ち抜かれた蟷螂は土埃を立てて倒れる。
え、嘘?まさかの一撃?
ランクAの魔物を一撃って、マジで?
半信半疑の俺は、スキル『世界眼』で蟷螂のステータスを確認する。
固体名 なし
種族 イビルプレイミングメイント LV63
ランク:A
ステータス
HP:0/2000
MP:200/200
物理攻撃値:2500
物理防御値:900
魔法攻撃値:100
魔法防御値:900
敏捷値:1700
スキル
『夜目』『断絶』
し、死んでる。
その確認をすると同時に、脳内に声が響く。
<固体名・犬井巧のレベルが2になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが3になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが4になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが5になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが6になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが7になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが8になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが9になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが10になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが11になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが12になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが13になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが14になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが15になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが16になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが17になりました>
ふぉーーー!!
ポ〇モンの四天王戦でのパワーレベリング並みに上がったんですけど。
つーか。ランクA一撃って、ウォーターカッターTUEEEE!!!!
反則並みにTUEEEE!!!!
そんな興奮気味の俺の存在に気付いたのか、蜂たちが一斉に襲い掛かる。
「格上が雑魚に必死過ぎだろ。強者らしく舐めプしろよ。お前等」
俺はウォーターカッターを放つが、流石は敏捷1300+『飛行』を持つ蜂なだけはある。『中級狙撃術』しか持たない俺の射撃を軽々と躱し、ドンドン距離を詰めてくる。
「ですよねー」
ウォーターカッターからの横凪も躱され、三方向を取り囲んだ蜂たちが尻についているゴツイ毒針を俺に一斉に突き刺そうとした瞬間
「やられると見せかけての回避!!」
脚から射出された麻痺水(弱)の推進力を使って、俺は空中に逃げる。
固体名:ジェットブーツ(中麻痺)
分類:UNKNOWN
敏捷値;+7000(発動中のみ)
耐久度:500
残量:3.0L/5.0L
付与スキル『瞬間跳躍』『滞空(小)』『神速』『パラライズ(中)』
飛行というチートスキルと高い敏捷能力を持つ蜂に対抗する為に開発した兵器だ。
因みに発想の元は、昔やり込んだマ〇オサンシャインとウォータージェットだ。
「専売特許である空中戦でやられる気分を味わえよ。飛行チート共」
俺はそう言って、団子状になって地面で藻掻く蜂にウォーター・カッターを放ち、毒水は蜂たちの頭部を中心に肉体を容易く引き裂いた。
ギリギリのタイミングで獲物に逃げられたせいで、蜂たちはお互いの体をで毒針で突き刺し、肉団子状に拘束される。
<固体名・犬井巧のレベルが18になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが19になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが20になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが21になりました>
<固体名・犬井巧のレベルが22になりました>
うぉ!?最初程ではないけど、ジャイアント・キリングをすると簡単にレベルが上がるんだな。
地面に着地した俺は、両手両足にセットした新装備を一瞥する。
ランクA、A-をこうも容易く葬るなんて、流石チート武器だけど・・・・
固体名:ジェットブーツ(中麻痺)
分類:UNKNOWN
敏捷値;+7000(発動中のみ)
耐久度:500
残量:3.0L/5.0L
付与スキル『瞬間跳躍』『滞空(小)』『神速』『パラライズ(中)』
固体名:ウォーターカッター(中毒)
分類:UNKNOWN
物理攻撃値:+4000
耐久度:500
残量:1.0L/5.0L
付与スキル:『ポイズン(強)』『穿水』『断絶』
消費量が想像以上だ。
2分程度しか経ってないのに、ウォーターカッターの残量がもう1Lしか残っていない。スキル『毒薬合成』でチャージできるから、調達は困らない。
だが、無限に生成できるわけでもない上に、戦闘中にチャージするのは隙を生むので、チート武器だよりの雑魚である俺にはリスキーすぎるというものだ。
今回の勝利は不意打ちである上に、数が少なかったのがかなり大きい。
もし、蜂が4匹ではなく10匹程だったら燃料切れになって確実に敗北していただろう。
残量切れを起こした時の為に、近接武器を作っておいた方がいいのだろうか。
いや、生半可な剣や槍を作ったところで、此処では役に立たない。
それどころか荷物がかさばるので止めた方がいいだろう。
そこで、俺は先程倒した蟷螂と蜂の死骸を一瞥して、何気なく呟く。
「こういう時、なろう主人公は魔物の魔石や肉を取り込んでステータスを爆上げするんだろうが・・・・」
『固体名 犬井巧
種族 ポイズンドール LV22
魔石ランクD+
残機3/3
職業 バトルクラフトマン
ステータス
HP:1000/1000(UP)
MP:2000/2000(UP)
ST:∞
物理攻撃値:500(UP)
物理防御値:500(UP)
魔法攻撃値:500(UP)
魔法防御値:500(UP)
敏捷値:2300(UP)
スキル
『自動修復』『魔石消費』『パラライズ(小)』『ポイズン(中)』『スリープ(小)』『世界眼』『初級斧術』『中級剣術』『中級ハンマー術』『初級ナイフ術』『初級槍術』『精神統一』『中級狙撃術』『初級弓術』『初級盾術』『サーチ』『マッピング』『次元収納』『錬金』『夜目』『遠視』『痛覚無効化』 『サライ』『睡眠無効』『霊眼』『毒薬合成』『無尽蔵』
称号
『武蔵野弁慶』『グレゴリー・ラスプーチン』『アドルフ・ヒトラー』『ネロ・クラウディウス』
俺の種族は飲み食いが出来ないポイズン・ドール。
なろう系主人公のやり方では、敏捷値とMP以外雑魚のままで、このチート武器では長期戦ができない。ハッキリ言って、詰んでいる。
悩むこと数時間して、ある事を思いつく。
「食えないなら、素材を部品に改造して装着すればいいのではないだろうか」
狂気じみた考えだが、幸い俺は痛みを感じないポイズン・ドール。
しかも、工作が得意な『バトルクラフトマン』。
人形の改造なんて、赤子の手を捻るより簡単だ。
そうと決まれば、俺はスキル『次元収納』で殺した蟷螂と蜂を回収し、『錬金』で近場の壁に拠点兼工房を作り上げる。
久々の人形作りだ。
腕が鳴るぜ!!
俺は蟷螂の死骸を取り出し、部品の生成に取り掛かる。
折角、スキル『断絶』と言うチートスキルを持ってるんだ。
やはり近接戦闘の刃物系が一択っしょ!!
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