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放浪者-4 『思いつきは兵器の母』

評価と感想が貰えたので、少し増量しました。

この調子で頑張りますよ。

進化を果たし、武器である長剣鎧と防具である大盾と鎧を拠点――即席で作った穴倉もとい工房で作成したこの俺『犬井巧』は、この谷底から脱出方法を探すべく、更なる深層に―――――


「次こそは――――」


挑まず、ウオーター・カッターの開発を取り組んでいた。

俺は、作成したウオーター・カッターを射出する装置の水筒に、湧き水――穴倉を作成するべく壁に穴を開けた際に地下水脈とぶつかったらしい――を投入し


「仕上げだ」


俺はスキル『ポイズン(小)』を水に付与することで、弱毒水を合成する。


「これなら、どうだ」


右腕に装置を装着し、ずぶ濡れになった的に標準を合わせ

いざっ!!

右腕に装着した装置に魔力を流すことで、弱毒水が水鉄砲のように噴出される。

だが弱毒水は、的を貫通せず只濡らすだけにとどまった。

そのことに、俺は何度でもかの


「クソ!!」


悪態を付いた。

俺がなぜ、俺の世界にあった近代兵器の開発にいそしんでいるのかそれは遡ること数時間前に遡る。


長剣と鎧、大盾を作成した俺が暗い道を歩く。

正直、スキル『夜目』がなければ、何も見えず詰んでいたね。


「うん?あれって・・・」


体長2メートル半もある蜂の群れを巨大蟷螂は群がる蜂をその両手の鎌で迎撃しているのを発見する。

ただ、この蟷螂は普通の蟷螂と違って、腕が6本もあり、その姿はまるで阿修羅みたいだった。

蜂たちは空中から攻撃しようとしているけど、その鎌の攻撃範囲になかなか踏み込めなくて、戦況は膠着してるようだ。

というか、あの魔物たちは、俺と同じように魔王によって製造されたのだろうか?それとも、元からこの谷底にいたのだろうか?

ま、どっちでもいいけど。

その様子を岩陰に隠れながら観察している俺がやるべきことは、まずはこの谷底にいる魔物たちの力を把握することだ。

といっても、蜂は飛行しているので、遠距離攻撃がない俺は、かなり苦労しそうだけど・・・・。

ということで、まずは蜂のほうから。


固体名 なし

種族 イビルホーネットLV50

魔石ランク:A-

ステータス

 HP:539/700

 MP:400/400

 ST:400/900

 物理攻撃値:600

 物理防御値:700

 魔法攻撃値:300

 魔法防御値:300

 敏捷値:1300


スキル

 『夜目』『飛行』『ポイズン(強)』『耐毒(強)』


おかしくね・・・・。

『飛行』というチートスキルだけでも凶悪なのに、俺の唯一のアドバンテージである敏捷に関しては2倍近くあるんですけど・・・・。

もしかして、俺が調べた奴は群れのボスだったんだろうか。

そうだ。そうに違いない。

俺は気を取り直して、他の蜂のステータスを調べる。


固体名 なし

種族 イビルホーネットLV50

魔石ランク:A-

ステータス

 HP:597/700

 MP:400/400

ST:400/900

物理攻撃値:600

 物理防御値:700

 魔法攻撃値:300

 魔法防御値:300

 敏捷値:1300


スキル

 『夜目』『飛行』『ポイズン(強)』『耐毒(強)』



固体名 なし

種族 イビルホーネットLV50

魔石ランク:A-

ステータス

 HP:452/700

 MP:400/400

ST:400/900

物理攻撃値:600

 物理防御値:700

 魔法攻撃値:300

 魔法防御値:300

 敏捷値:1300


スキル

 『夜目』『飛行』『ポイズン(強)』『耐毒(強)』


変わんねー!!

その事実にショックを受ける俺を他所に、蜂の1匹が蟷螂の鎌に両断される。 うわ、HP400近くあったのに一撃で全損って、すごい切れ味。

俺は、蟷螂を鑑定する。


 まあ、私には気づいてないっぽいし、ここはコソコソーっと素通りさせていただきましょう。


固体名 なし

種族 イビルプレイミングメイント LV63

魔石ランク:A

ステータス

 HP:1500/2000

 MP:200/200

ST:1900/2100

物理攻撃値:2500

 物理防御値:900

 魔法攻撃値:100

 魔法防御値:900

 敏捷値:1700


スキル

 『夜目』『断絶』


物理防御50、HP200しかない俺、即死じゃん。

寒さを感じない体になったにも関わらず、悪寒を感じた俺は身に着けた鎧と盾の性能を改めて調べる。


名称:精巧な鉄の盾

作成者:犬井巧

分類:盾

物理防御:+200

魔法防御:+80

耐久値:1000

付与スキル:なし


名称:精巧な鉄の鎧

作成者 犬井巧

分類:鎧

物理防御:+100

魔法防御:+80

耐久値:500

付与スキル:なし


紙じゃん。

物理攻撃値2500の前では、紙屑と一緒じゃん。

ま、魔鉱石ではなく、其処等へんの鉄鉱石で作ったからしょうがないけど。

よし、逃げよう。

勝ち目はないと考えた俺は、魔物たちに気付かれる前に、最初の拠点である穴倉—————即席の工房に逃げ帰る事に決めた。

幸い、蜂も蟷螂のお互いに意識していたのか雑魚である俺に気付くことはなかった。

工房に戻った俺は役に立たない盾をバックシールドに改造する。

紙同然の盾だが、ないよりはマシだと考えた結果である。

さて、じゃぁ、どうするか。

圧倒的な近接攻撃を持つ蟷螂や飛行能力と自分より優れた敏捷性を持つ蜂には、従来の剣や槍では太刀打ちできない。


「遠距離攻撃、それも圧倒的な攻撃力を持つ兵器が必要だ」


遠距離で圧倒的な攻撃力を持つ武器。

真っ先に思いつくのは、錬成物の小説でよく取り上げられる銃。

だが、軍人や銃メーカーに勤める人間ならともかく、銃規制が世界一厳しい日本人・・・・それも改造銃はおろかエアガンすら作ったことない一般的な高校生であった俺に銃知識があるわけないのでそんなものを制作できるわけがない。

しかも、此処には弾薬の材料となる火薬は存在しない。

俺は、何か役に立つものはないか、工房の壁を掘って材料を採掘する。

だが、出て来るのは鉄鉱石という役に立たないものばかり。

いっそ、鉄鉱石を食べまくって上位魔物に進化、もしくは何らかの称号を得られないか探るかと迷った俺の眼に湧き水が写り、超高圧力で水を射出する兵器———ウォーターカッターを思い出すが・・・・。


「いやいや、化学3物理3の上、魔法適性0の俺にそんなもの作れるわけないじゃん」


水に超高圧力を掛ける手段がない以上、この案は現実的ではないと却下したその時、スキル『錬金』で掘り起こしていた壁から赤い鉱石の塊が顔を出した。

見たことない鉱石に俺は『錬金』の手を止め、それをスキル『世界眼』で鑑定する。


『重力結晶』

ランク:S

説明:魔力を流すことで重力場を発生することができる希少な鉱石の塊


「タイミング、神過ぎるでしょ!!」


これは、もうあれだね?ウォーターカッターを創れと言う神からの暗示だね。

そうと決まれば、俺はこの逆境を乗り越えるべく、最強の切断力とリーチを持つウォーターカッターの開発に取り掛かった。


長かった。

あれから、どれくらいの時間が経ったのだろうか。

どれくらい失敗しただろうか。

圧力が弱すぎれば、水鉄砲ほどの威力しか持たず。

かと言って、強めれば装置自体が暴発し腕が破損する。

正直、人間だったら大怪我では済まなかっただろう。

だが、その何千回という試行錯誤は無駄ではなかった。

なぜなら・・・・


『プッシュ!!』


右腕に装着した装置から発射された毒水のレーザーが、鉄鉱石で作った的を易々と貫いた。


「ウォーターカッター作成成功」


固体名:ウォーターカッター(中毒)

分類:UNKNOWN

物理攻撃値:+4000

耐久度:500

残量:4.9L/5.0L

付与スキル:『ポイズン(強)』『穿水』『断絶』


『ポイズン(強)』

被弾した対象を高確率で毒状態にする


『穿水』

液体を使った貫通攻撃を行った場合、攻撃力が2倍になる


『断絶』

切断系の攻撃を行った場合、攻撃力が1.4倍になる


「ぶっ壊れ武器キター!!」


流石、近代兵器!!

聖剣が可愛く見えるね。


「苦労した甲斐があったな」


開発途中、熟練度が上がったのか俺自身のスキル『ポイズン(小)』が『ポイズン(中)』に進化し、新たに『毒薬合成』というスキルが加わるようになった。

スキル『毒薬合成』はその名の通り、空気中の水分から毒の液体を創る効果を持つ。

これで、弾切れならぬ水切れを起こす可能性がなくなった。

そうと決まれば、俺は左腕に装着するウォーターカッターの制作そして、蜂の飛行能力と敏捷性に対抗する兵器の開発に取り掛かった。


つたないですが、レビューや評価してくれれば、投稿頻度や文章量も増やす予定です。


一応、最後まで続けられるように頑張ります!!

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