『天体観測』
『私…星が見たい…ッ! 天体観測がしたい…ッ!』
そう、キミは言った。
「でもね…。星を見るにはね…。
色々な工程を経て、色々な制約を熟して、
色々な世界を構築しないとダメなんだよ…?」
と、ボクは、キミを諭す。
「分かってる…。分かってるよ…ッ!
でも…天体を…星を見たいって願う事は…!
そんなに悪い事なの…⁉
酷い事なの…⁉
私…ただ…満天の星がみたいだけなのに…!
世界に…いっぱいの…星が見たいだけなのに…!」
と、キミは、更に訴え続ける。
「星はね…。
人々の持つ…。
心の煌きの結晶なんだよ…。
キミが…星を望む世界が…。
美しく…綺麗で…尊い時に…。
それは…自然と集まり煌く…。
その理を無視し…。
観測できる事を望む事は…。
ボクたちには出来ないんだ…。」
ボクは尚も諭して告げるが。
「嫌よ…。嫌…ッ!
私は…星を見たい…ッ!
でも…!
でも…ッ!
私の世界は…私に紡がれる世界は…綺麗じゃない…ッ!
分かってる…ッ!
分かってるの…ッ!
だけど…!
綺麗じゃない世界でも…!
星の輝きを…!
星の煌きを…ッ!
この世界に…!
私の世界に…!
満天の星を願う事は…!
そんなにいけない事なの…⁉
そんなに罪な事なの…⁉」
キミは…。大声で嘆き出す…。
「でもね…。仕方ないんだよ…。
キミの書く…。『アレ』な世界は…。
普通の人々には…。理解されないモノなんだよ…。」
辛い事を告げていると分かり、
目を伏せながらも伝えるボクに…。
「だって…!
私…どうしても…『アレ』な…!
『アダムくん』と『アダムくん』の世界を書いちゃうの…!
どうしても止められないの…!
この『はきゅん!』な気持ちを…!
でも…そんな私の作品にも…!
『☆』が欲しいの…ッ!
満天の『☆』マークが欲しいの…ッ!
その『☆』たちを観測したいの…ッ‼」
と…キミは泣き崩れる…。
「でもね…?
『こういう世界』はね…?
ちょっと…一般の人々には…。
それにね…?
ずっと『アレ』な世界を書き続けるのは…。
ボクという彼氏が居るのに…。
正直…どうなのかな?って…。
ボクも思うんだけど…?」
と、詰まりながらも聞くボクに…。
「女の子っていうのはね…!
『趣味』と『実益』は『別腹』なの…ッ‼」
と、無体な事を叫ぶキミ…。
ああ…。
本当に大変な娘を好きになってしまった…。