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ボツ集  作者: 横瀬 旭
3/3

続き

明晰夢 2

 ここ三週間毎日夢を見ている。三週間も見ていると、夢なのか現実なのか、その区別がはっきりわかるようになった。


 ある日の夢、自分の部屋で背もたれの付いた椅子に座っていた。夢の中特有の薄暗い景色と、ほんの少しの怖さ。


初めて見る夢だった。どうにかして目を覚まそうと背もたれに体を預けて後ろにひっくり返ろうとしていた。


うまくひっくり返ることができたが、体にある程度の衝撃を当てても痛みを感じなかったし、目も覚めなかった。


「これはなんでもできるんじゃないか」


そう思って私は姉の寝室に行った。


姉の胸を揉むと姉は悲鳴を上げて飛び起きたため、急いで自室のベッドに戻り寝たふりをした。


結局、目が覚めたのはベッドだったから、あれは夢ではなかったのかもしれないと思い、翌朝姉に昨晩のことを謝ったが「何のこと?」と言っていたので、やはり夢だったのだろう。


 幾日か経った日の夢で、私は再び自分の部屋の椅子に座っていた。


今回は外に出てみようと思った。しかしただ玄関から出るのは面白くないと思い、自分の住んでいる団地の三階、自室の窓から飛び降りた。


しかし、フワッとした感覚と共に目が覚めてしまった。


夢で自分の部屋に居ることがその後何回かあった。玄関からどうにか外へ出ようと試みても、外に出た所で目が覚めてしまう。


もう目が覚めているのに、頭の中で無理やり映像を作っている。


 さらに数週間経つと、夢から覚めるのが難しくなっていた。


どの私に戻れば良いのか、私にはわからなかった。


仕事をしている私、学校にいる私、部屋にいる私。


夢の中には色々な私が居た。


本当の自分はどれだろう。


本当の自分はどこにいるのだろう。

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