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蜂の巣
この車はどこへ向かうのだろうと考えながら私は後部座席で用意してくれた毛布にくるまって、ぼーっと久しぶりに見るあまり変わっていない近所の光景を眺める
暫くして男が口を開く
「気分はどうだい?えぇ?
訳も分からず目覚めたら唐突に監禁されてて、久々に外の景色見れて嬉しいかい?」
なんて無神経で適当な男だろうと思ったが、処理する内容が多すぎて理解が追いつかない私は脳死状態で今の事だけ考えて答える
「あぁ、最高だよ、ホント
まぁ、そんな事はどうでも良いそれより聞きたいことが山のようにある
それで、えーっと…なんて呼べば良い?」
男が答える
「まぁ適当に頭文字でもとってRとでも呼んで
後君の名前は言わなくていいよ、君で通じるしね
僕は面倒なのは嫌いなんだ
それと、聞きたいことが山のようにあるのはごもっともだけど面倒だからその都度話すよ」
そこからお互いに無言になり暫くして気がつくと本社ビル地下駐車場へと到着していた
「さっ、降りて
君用に部屋を用意してあるから」
私は怪しいとは思いながらもどうしようもないので降りて、地下駐車場のエレベーターに乗った