thinking32『アスキング・ブランカーと惑い纏い⑩』
10分程前
「うーん…何か怒らせちゃったみたいですね…」
「そうですね」
「時破田って言ったのが駄目だったんでしょうか」
「そうですね」
「彼女が誰かは知らないけど…」
「プライドを傷つけてしまった」
「キャンディ先生、俺ちょっと行ってきます」
「…いや薙紫君それは焼け石に油…」
「ってもう行っちゃったし…」
食らった弾丸は実に8発!
そして火炎星屑のお陰で魔力はゼロ!
あと3人…とりあえず休憩を挟まなければ…
竜戦士モードの魔力消費は意外と少ないから、
積極的に使っていこう。
しかし…やはり星屑は必要になるだろうな…
「この部屋はどうだ…?」
「‼︎」
が、そこにいたのは!
3人の眠っている生徒!
「…え…」
「ど、どういうことだ…?」
「!」
「ま、まさか…」
すると彼女はまたおちょくられた気分になって、
恥ずかしくて顔が真っ赤になった。
「く、くそ…馬鹿に…しやがって…!」
「薙紫紅いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ‼︎」
「いやぁ」
「あれで許してもらえたらいいんですけど」
「ないですね」
「え?」
ーーーー惑星アミールーーーー
「恐らく…」
「紅のクリムゾンが発動する」
「だろうな」
「そしてお前の部下のアスクブランク達は…」
「全滅だろうな」
「正しい」
「…ところで」
「イレギュラーで思い出した」
「『野菜炒めの中のピーマン』とか…」
「『パンの中のレーズン』とか…」
「『唐揚げにかけるレモン』とか…」
「…は?」
「どう思う?」
「はぁ?」
「要らないと思わないか?」
「…まあ…」
「それに対して」
「『カレーに対する水』」
「『暖房に対する半袖』」
「この辺は必須だよな?」
「…まあ…」
「これに当てはめるならだ」
「俺は世界に必要」
「しかしお前は必要ではない」
「何の戯言を吐いてるの?」
「…お喋りはここまでだ…」
「なあテレポーター」
「あたしは時破田心裏よ」
「時破田心裏」
「お前なんか、俺には敵わない…去れ」
「怪我する前にな…」
「…なんかあんたさぁ、随分子供っぽいよね」
「子供っぽいって言った方が子供っぽい」
「…で?どうするんだ?」
「言っとくが手加減はできねえぞ」
「俺の中の悪魔は一度解き放てば止まらん」
「いいよ」
「なら行くぞ」
「封印魔法『具現隷骸』‼︎」
「…おお…」
確かにあいつが…悪魔に見えてきた
「俺の能力は…先に言っておこう」
「何故ならバラしても勝てるからだ…」
「『具現隷骸』の能力は!」