thinking27『アスキング・ブランカーと惑い纏い⑤』
「なるほど、そういうこと」
「じゃあ俺らは帰りますか」
「そうね」
「えっ」
「助太刀ではなかったのですか⁉︎」
「うん」
「だって時破田がいるんだろ?」
「じゃあ大丈夫じゃねえか」
「別に俺が助太刀せんでも」
「時破田がいるんだろ?」
「…そうですね」
「…む…」
「なんだかすごく馬鹿にされた気分です…」
「?」
「では、どうぞおかえりください」
「助太刀は不要です」
「この私が」
「奴らを殲滅します」
「おう、ガンバ」
ーーーーーーーーーーー11人ーー
「倒せばいい…」
そういえば、時破田さんが前に言ってたっけ
薙紫紅にはクリムゾンという能力があって、
毎日大事件に二つ関わらなければならないって…
…
“でも同情はできないなぁ”
“だってあいつ性格はいいけどクズ野郎だもんww”
…
なるほどなんとなくわかった…
さっきあの人、私の未熟さに気づいたな…?
で、私を煽って、
窮地に追い込ませて成長させようってことか…
確かに性格いいけどクズ野郎…
「おかげで私は今怒ってるし…」
「成長できそうだなぁ…!」
「ぐ…やっと…解けた…」
「『密室で殺す』でしたっけ」
「!」
「早く立ってください」
「でないと、私が卑怯みたいじゃないですか」
「…けけけ…」
「立つ必要はないと言ったら⁉︎」
ドカッ
「蹴ります」
「もう蹴りました」
「さながら缶蹴りみたいに」
ーーーーーー10人ーーー
「…」
「!」
「『密室で殺す』って…」
「なるほど…そういうことか」
こいつ毒ガスを…!
「…だが!」
「燃やし尽くせ、『ファザー・エルシス』!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
「…さて次は…」
「そこだ!」
火炎球!
しかし、全て避けられる!
「…ふほっふぉ」
「バレていたか!」
「名乗れ!」
「『捻り、殺す』」
「『燃やし殺す!』」
殺人術者の間のルール。
術を名前がわりに言う。
お互いに名前を名乗りたくないので。
「…はぁ…はぁ…」
「ねじるって…触ってくるし…」
「セクハラじゃないのか…?」
「よし次!」
ーーーーーーーーー9人ーーーーー
さすがに封印能力者に訓練を受けると全然違う…
アスクブランクとわたり合えている!
今のところは…
「『燃やし殺す!』」
「『挟み殺す!』」
ーーーーー8人ーーーー
いける!けど…こいつ強い!
「どしたー?おわりー?」
「いくよー?いいのー?」
「『燃やし殺す…』」
「『さとしー、ころすー』」
ーーーーーーーーー7人ーーーーー
でもいい感じだ!
この調子なら…認められる!