thinking14『みんなみんな、クランの末裔⑭』
「…そういや…美樹先生が言ってたな…」
“能力者の人生は能力の影響を受けてきた人生だ”
“とくに封印能力ともなればその影響は甚大で”
“封印能力者は皆、性格がはっきりしている”
言われてみれば確かにそうだ。
リリーは八方美人なところがあるし、
時破田はマイペースだ。
そしてこいつは『適当』か!
「…戦わないと怒られるし…」
「一応なのっておくかな…」
「桜原 棘、『メスで猟奇的に殺す』」
「封印能力、『絶対行使』」
「能力は…」
「オーラを纏わせたモノに絶対を与えること」
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absoluteOne vs crimson
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「絶対を与える…?」
「…うん…」
「こういうのってなんだか自慢のように聞こえてしまうのかもしれないけど…」
「僕は君の力を知ってるから教えないと…」
「え、いや、いいけど」
「封印能力というのは2種類ある…」
「一つ目は…世界を破壊できるもの…」
「二つ目は…この世にあってはならないもの…」
「僕の能力は絶対を与えること…つまり…」
桜原棘はポケットから針を取り出した。
そして、銀色のオーラを纏わせ、手放す。
すると!
針は、薙紫紅へ飛んでいき、
「⁉︎」
一の腕を貫く!!!!!!
「『絶対』に当たる」
「…という風に使うんだ…」
「これは、2種類のどちらにも当てはまる」
「へ、へえ…」
結構…ヤバイ能力だな…
「…君は…」
「たしか…クリムゾンというので有名だ…」
「引き分け師…だったっけ…」
「ああ、そうだ」
「では、僕にかける」
「『僕は絶対に引き分けにならない』…」
「‼︎…」
「さあ…どうする…?」
「これで一度『絶対』と決めたものは…」
「二度と覆すことは…できない…」
ど…どうしよう…
「…これだけじゃない…」
「…万が一君に負けることを考えて…」
「『僕は絶対に負けない』…」
「お、おいおいマジかよ!」
「…これで僕の勝ちだ…」
「どんなルールに従おうが…僕は負けない…」
「…念のためもう一度言っておくと…」
「『絶対』は覆せない…」
「‼︎…」
「や、やべえな…お前…」
「…自分の心配をした方がいいと思う…」
「『メスで猟奇的に殺す…』」
「…いや…『絶対』に殺す…」
「そうか、だが、俺は負けん!来い!」
「!」
「…そんなことを言って…大丈夫なのか…?」
「遠慮をするつもりはないよ…?」
どこからか取り出した大量のメスが宙に浮く。
銀色のオーラを纏ってある。
「死んでくれ…」