thinking12『みんなみんな、クランの末裔⑫』
「馬鹿野郎!何してやがるクソジジイ!」
「ジジイって…まだそんな歳じゃ…」
「これは『爆弾』だ!見りゃわかるだろ‼︎」
「え…?」
薙紫紅は咄嗟に爆弾を蹴り上げる‼︎
そして、商店街の天井にそれが当たった瞬間!
ドガアアアアアンッ!!!!!!!!!
と、とんでもない威力で爆発を起こした!
「…クソ…」
「あっぶねえ…」
「やあやあ」
「薙紫紅」
「…てんめぇ…」
「びっくりした?してないよね?」
「だって被害が最小になるように蹴れる余裕があるもんね」
「でもいくら余裕だからって『マゼンタ』をオフにするのは危ないと思うよ?」
「掬火 蓮香…」
「そう!『大衆の面前で殺す』!」
「覚えててくれたんだ!」
「テロのプロだと思ってくれたらいいよ」
「…」
「お前みたいなのがいるから世界から悪が消えないんだな…」
「ところで」
「テロとプロって、ゴロが良くない?」
「…」
「良くねえかって聞いたんだよ」
「なんだ?殺されてーか?」
「『私をムカつかせた』ってのは」
「『そういうこと』だよな〜‼︎⁉︎」
「…うるせえ女…」
「女って元々声高いのになんで大声出すの?」
「鼓膜どうなってんのん?」
「…は?」
「喧嘩売ってんのか?お前…」
「『鼓膜はどうなってんのか』って聞いてんだよ」
「…!」
「喧嘩売ってんのか?ああ違うか」
「これは喧嘩じゃなくて殺し合いだったな」
「殺されてえのか?」
「…」
「あんまり…なめてんじゃねえぜ…」
「お前の鼓膜を潰してやる!」
が。
彼女の額に、拳が直撃する。
そしてそれと同時に、彼はこう言った。
『よろしい』。
やっと人間の振る舞いになったな。
「あ…ぐっ…」
「…まあ、今日だけは許すよ」
薙紫紅は自転車に乗って、最後の1人の元へ!
「…」
〔封印能力者が意外といたってのはびっくりだ〕
〔1組には1人もいなかったからな…〕
〔2組に2人、3組に1人、4組に2人、5組に7人〕
〔合計12人の世界を崩壊できる能力者がいるのか〕
〔封印したい理事長の気持ちもわからなくはない〕
〔しかし認めるわけにはいかないな〕
クリムゾンの反応が示しているのは1人。
つまり封印能力者相手に2対1は無い…
しかし!
「『効きづらいんだよなぁあいつら』」
薙紫紅は、今日初めて頑張ることになる。