thinking11『みんなみんな、クランの末裔⑪』
「あ、あんた、地震がくるかもしんねえぞ…」
「いーいの!地震なんかに負けません!」
「い、一個200円だ…」
「ん?」
「にひゃ「ちょっと待て」「えっ」
「200円?200円だと?」
「私が一番だと決めたモノをたったの200円だと⁉︎」
…ん?なんか揉めてる?
「そ、そんなことを言われても…」
「なあ、聞いてんだよこっちは」
「私のセンスが200円だとでも言いてえのか?」
「そんなつもりじゃあ…」
「に・お・く・え・ん」
「…え?」
「ねえおじさん、ゴロがいいと思わない?」
「にひゃくえんとにおくえんって!」
「似てる!きゃははははっ!」
…??????
「2億円だ」
「2億円にしろよ、このうさちゅわんをよ」
「え…⁉︎」
なに言ってんだ?あいつ…
薙紫紅はこっそり持ってきた紙を見る。
それには、生徒の情報が書いてある。
「念のため生徒指導室から盗ってきてよかった」
「掬火蓮香」
「幼少期にシャルティという貴族の養女になる」
「それ以来、生活が一変」
「趣味である殺人を隠れてしなければならなくなった」
「そのせいで『隠れて殺す』のがうまくなった」
「しかし彼女の本来の力はその逆にあり」
「『大衆の面前で殺す』」
「…時に、一番強くなる…」
「なんで養女になったんだろう…」
「ま、それはいいとして」
「…クリムゾンを使っても良さそう…だが…」
俺の今後のことも考えて、
あまり多用はしたくない。
この忌々しい力は、軽々しく使っちゃだめだ。
「じゃ、じゃあ2億円だ…」
「はぁい」
「でもおじさん、今持ち合わせが無いの…」
「じゃ、じゃあ200円にまけてやる!」
「やったー!ありがとうおじさん!」
…もしかして
彼女はクラン・ルージングの為に来たが、
さほどやる気はないのか?
体裁が保てればそれでいい…と?
「…ところでさおじさん」
「あそこに隠れて私を見てる男がいるの知ってる?」
「…?」
!
バレてたか!
「実は彼、私の恋人なのー!」
「へぇ、そうかい…よかったねぇ…」
「おい」
「もっと祝福しろや」
「は、はい!」
…????
あいつは本当に一体なんなんだ…?
「…でねでね!おじさん!」
「これをそこの彼に渡してきてほしいの!」
「これ…は?」
「あ!見ちゃだめよ!」
「これは私と彼だけの秘密の物なの!」
「へ、へえ…」
…?
…今なんて…?
おじさんが来る。
「あ、あんた、これをあの子が」
「あんたも大変だのう…」
…!?
「ば…」