thinking9『みんなみんな、クランの末裔⑨』
街の中央に行くほど店の質が上がっていって、
人も多くなるんだっけか。
「じゃあ次は中央部だ!」
ー永代市中央商店街ー
「…おかしい…」
「あと6人…」
「あと6人がこちらに向かっているはずなのに…」
何故来ない…?
俺はなんとなくのクリムゾンの反応を追ってきた…
だからいないとおかしい!
…こういうところがやっぱり『負荷能力』…
いや、『不可能 力』ってとこだな
クリムゾンはやはり呪いに過ぎない。
ある程度近くまでくると、
相手の位置を探査することができなくなる。
何があっても俺に味方はしてくれない…
ただ同じ運命を辿らせるだけ…
「…」
「しかし本当に誰もいないのはおかしい」
「…」
「『既に来ている』?」
「…」
俺は、広い空間でステルスと戦うのはごめんだ。
互いに互いを攻撃できないから。
決着がつかない。
「…どうするか…」
しかし、
今恐らくこの辺に来るであろう敵を倒さないと、
次へは行けない…
相手が俺から逃げられないように、
俺も相手から逃げられない。
本当に、呪いだな、これは。
「…仕方ない」
「できれば全員戦うことなく済ましたかったけど」
「これはもう無理だ」
「俺も本気で戦おう」
薙紫紅は、地面に手をついた。
「ガイア、もう一度力を貸してくれ」
「今度は地震じゃなく…」
「この街の『温度』を上げてくれ。」
ーーーーーー
俺は『落とし、殺す』美沙屋 健二
なんだ?薙紫紅、やつは一体何をやってる?
…まさかまた地震を起こす気なのか?
しかし、奴だって、
流石に2度目はまずいことはわかってるだろう。
…しかし、暑いな
春ももう終わりか…
…いや、これはそんなどころじゃないぞ…
!まさか!
奴の…薙紫紅の能力か⁉︎
確かマゼンタ・エモーションとかいう『達成』…
わかったぞ!俺に暑いと思わせているのか!
「…見つけた」
「?」
い、今やつはなんと言ったのだ?
見つけた?
いや、そんなことよりなんだか眠くなってきた…
まだまだ春だな…
Zzz...
「マゼンタ・エモーション」
「微かな気温の上昇を俺のせいにした奴だけに発動」
「…こうしないと無差別攻撃になるからな…」
「なんて言うかこう、すごく面倒くせえ」
…
あと5人…
クリムゾン気配が無いってことは
この辺りにいるはずだ
…
既に7分経過…
なんとかして10分以内には終わらせたい。
それ以上、
頭が逝かれてる奴らの為に使う時間は無い!
「喰らえ!『背後から殺す』!」
バキッ!
「あと4人…!」