Chapter4『達成使いは夢を見る④』
薙紫クレナイは何かを踏む。
「?」
「…なにかブニブニして」
彼はその後、
それが死体だったことに気づく。
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absoluteZero=crimson
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「…⁉︎」
「ひ、人…⁉︎」
「先生!一体これはどういうむぐぐぐぐぐ」
「あまり大きい声を出さないで」
「あなたはまだ慣れてないかもだけど…」
「これくらいのことでいちいち騒がないで」
「!でも!人が死んで…!」
「殺したのは私よ…でも仕方なかったのよ」
「こいつらが殺そうとしてきたんだもん」
「…は…」
「西琳 真楽君:強姦のプロフェッショナル」
「理沙 手金ちゃん:銃刀法違反勲章レベル」
「手を抜いてたら私が死にます」
「でも…だからって…」
「私の能力は【ダークエンジェル】」
「上目遣いした相手を仮死状態にすることができます」
「もっとも」
「授業をちゃんと受けてくれるクレナイ君に」
「この技を使う気は無いわよ」
「ただし…」
「この学校の二つの規則は知ってるわね?」
「…」
「倫理を無視した行動をしろ…」
「封印クラスに触れてはならない…」
「そう。でも私の教室ではさらにもう一つ…」
「『口答え禁止』が着く」
「逆らったら貴方でも…後はわかるわね?」
「……はい…」
薙紫紅はこの時混乱していた。
学園内で殺人が起きるというのは聞いていたが、
まさか本当に起きるとは思っていなかったのだ。
それが。
入学式の日に、
いきなり人生初死体踏んづけ体験。
さすがに頭がついていかなかった。
結局。
ロリ先生の言われるがまま…
薙紫紅は黙って騒がず、帰路についた。
彼の人生は【クリムゾン】のせいで特殊なので、
別に死体が怖かった訳では無い。
薙紫紅が本当に怖かったのは、
高校生になっても、
事件から逃れられないということ。
彼の青春計画が、崩れてゆく。
能力のせいで、人並みの人生も送れない。
「それじゃあまるで、『封印の五組』だ…」
「五組がどうしたの?」
この時。帰り道の途中で、
薙紫紅は変な少女に出会った。
これが運命の出会いであることがわかるのは、
もっと先のことだ。
その少女は不思議なオーラを放っていた。
そして美人だった。
彼女が一体誰なのか気になった。
五組という言葉に反応した理由も気になった。
しかし。
彼はそんなことより、
もっと他に気になる事があった。
この白髪碧眼で魅力的な彼女は、
なぜ、服を着ていないのか?
「…寒い」
「そりゃそうだろ…ちょっとウチこい」
「服、やるから」
「…ああ…」