thinking3『みんなみんな、クランの末裔③』
「名前は『クラン・ルージング』」
「さあ、お願いね!!!!!」
「えっ」
「お前、全部人任せかよ」
「自分で泳いで探せよ」
「ええ〜嫌よめんどくさい」
「私だってめんどくさいわ!」
「なんでお前の為に泳がなきゃいけないんだよ!」
「大体、自分の嫌な事は人にさせるな!」
「?」
「何か勘違いをしてるようだけど…」
「先生は水を操れるのよね…?」
「‼︎…」
「…か…」
「か?」
「完全に忘れてた…」
ーーおお、いい感じ!
「そのままあげといてねー」
「もし落としたら能力消すからー」
…うぜえ
「…さて」
clan=Losing
…これね
クラン・ルージング、
あだ名は『史上最弱の猟奇殺人犯』
クランというのはどこかの伝説において死んでしまうキャラであり、ルージングは負けを意味する。
最低な名前ね。親の顔が見たいわ。
で、確認したかったことというのは…
石
思った通りだった。
このクラン・ルージングの墓の周りのだけが綺麗だ。もちろん水に浸かっているから川の石は大体綺麗だけど、もうそういうレベルじゃない。
『誰かが手入れしているとしか思えない』
つまり、これで証明できた。
日本国内にジャック団は存在する。
そして、
連続殺人犯クラスの連中にそれがいるのは確か!
…ちらっと名簿を見ただけでも、
ルージングという苗字が3人いた。
ちゃんと調べてよかった。
これで少しは対策ができる。
説得の。
…戦闘面に関してだけ言えば、
ただの殺人鬼なんてどうってことはない。
問題は更生させなければならないということ。
「…全く、部活って大変ね!」
「そろそろヤバいんだけど」
ーーーーーーー5/1(月)
「やはり間違ってなかったわ」
「天角学園の中にクランの末裔がいる!」
「…それはまあ色々とめんどくさいな」
「俺らに負ける心配は無いとはいえ」
「そのジャック団ってのを敵に回すのは…」
「だから今度こそは『マゼンタ』を使ってもらうわ」
「ええ…やだよ」
「なら、説得できるようにしといてね?」
「私もするから!」
薙紫紅は下校する。
「…説得ねぇ…」
「『集団心理』とか使えるか…?」
と、その時。
「こんにちは、あなたが薙紫紅か?」
「…あ"?」
高身長でスーツを着ている男が、
クレナイの行く手を阻む。
「そんなに怒らないでくれ」
「私はただ、」
「『リリー・シエル』を探しているだけなんだ」
「…リリーを?」
「ええ」
「なんの為に?」
「少し用がありましてね」
「その『用』を」
「俺にも教えてくれたら案内するぜ」
「…どうしようかな」