ghost91『僕達はダーク・バランス㉙』
その言葉を受け近藤いつみはすぐさま行動する。
今度は目に見えない速度で禍炎流星!!
「しかしー」
「…っ」
振りかざした拳は止められた。
どうやったのか愛谷祐樹は、
最終必殺技を片手で受け止めた。
「相手より少しだけ強くなる異能だってば」
「今言ったよね?聞こえなかった?」
「…ば…馬鹿な…」
「山一つ崩せる威力なのに…⁉︎」
「そうだね」
「だから『反射』が解放された」
「能力は『威力をゼロにする』」
「くっ」
手を振りほどき、
また炎と同化して飛び退避する。が、
何か壁のような物にぶつかる。
「…もうちょっと集中しろお前は」
「『空想空間』」
「能力は『理想的な空間にする』」
や、やばいこの感じは…!
「ところでこんな言葉を知ってるか?」
「『攻撃は最大の防御』って」
「あれは間違いなんだよ」
「正しくは『攻撃と防御は紙一重』だ」
「つまり相手より紙一重の差で強くなれる俺は最大の防御にして最大の攻撃というわけだ」
「ということで俺は反射系防御能力者だ」
「レベル」
「13」
「ま、まずい!ファザーエルシス!」
近藤いつみの体から龍が消える。
フッと、オーラのような物が抜け出して。
「『雑種』」
「能力は『混合を純粋にする』」
「その炎龍を…」
「…ってあれ?」
「ドラゴンを避難させたのか?」
「なんだ、せっかく消してやろうと思ったのに」
咄嗟の判断。危なかった。
あと少しだけでも、
エルシスを逃がすのが遅れていれば、
今頃…
《ぬう!こ、これは範囲結界!》
《これではいつみを助けにいけん!》
《それどころか…》
オーラ状の龍の体が少しずつ崩れていく。
魂は肉体が無ければ天へ登っていく物だ。
《…ええい!儂などどうでもいい!》
《いつみだ!》
炎龍の力は無い
お得意の放火も空想空間では無意味
なら残った力は人体発火現象のみ
ただ体が燃えるだけで勝てる相手では…!
…が、そこに救世主が現れた。
「困ってるね」
《!》
《誰だ!》
《!!》
《お、お主は…!》
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まず始めに動きを簡単に封じる手段は2つ
『空想空間』『石柱』
次に簡単な攻撃手段は8つ
『十撃』『跳撃』『液状』『拳』
『兆剣』『名刺し』『銃撃』『雑種』
次に簡単で特殊な移動手段は2つ
『回転式』『風化』
簡単に攻撃を止めることができるのが一つ
『反射』
これらを最大限使えばどうなるか。
「…」
違うまだだ…まだやりようはある!