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ghost89『僕達はダーク・バランス㉗』

「迂闊に上書きを解除するのもよくない」

「…が」

「今回は成功と言っていいかな…?」

「そうでしょうね。しかし自己完結と必要悪を混ぜたら常識人になるとは、不思議ですね」

「…」

「ようみっくーお疲れ!」

「槍…余は疲れてはいない」

「そう。疲れてないのか」

「…ありがとう、えっと翼村君」

「貴様に感謝されるいわれはない」

「いやいや」

「この林道の目を覚まさせてくれたんだ」

「お礼しかないよ」


 林道栄徹は思考異常者だったが、

 別に心が強いわけではなかった。

 薙紫紅はそのせいで何か起こらないか、

 ずっと危惧していた。


「…しかし、勝敗は別だ」

「ああそうか、次は貴様と戦うのか」

「しかし余の『絶対虚無』は…


 杭刺し!!!


「…な…」

「うんうん、やっぱさすがだね薙紫さん」

「前より断然パワーアップしてる」

「マゼンタの効果すら無視するとは…」

「いや、無視はしてないぞ」

「別に感情紫紅を使わなくとも達成なんだぜ」

「纏えば能力を無視できる」

「最近やっとものにできたばっかだがな」

「…さて、これで」

「どうやらほとんど終わったようだ」

「あとは『祐樹』だけだな」


 ーーーー


 近藤いつみの場合


「あれ…?どこここ?」

 《いつみ、道に迷ったのか?》

「迷ったっていうか…」

「天角学園にこんなとこあったっけ」


「無えよ」

「!」

 人体発火現象発動!

「おいおい、そう構えるなよ」

「俺は攻撃できねえんだからよ」

「…」

「俺の名前は『愛谷 祐樹』」

巫槍(かんなぎつらぬき)の大親友だぜ」

「で、一つ提案があるんだが」

「?」


「バトらなくてよくね?」

「…は?」

「いや、だってよ、考えたんだけど」

「俺達って別にわかり合う必要ないじゃん」


「みんな違ってみんな良いっていうか?」

「別に価値観が違うんだからさ」

「みんながみんな仲良しこよしじゃなくても」

「尊重しないししてくれなくていいしさ」

「お互いお互いを曲げるのは良くねえよ体に」


「…なるほど」

「それが貴方のダーク・バランスですね?」

「…」

「あれ?なんでわかったの?」


『刀を捨てた武士』

『裕福を捨てた権力者』

「そして紗里ちゃんが『美しさを捨てたお嬢様』」

「で、俺が『妥協を捨てた怠け者』ってんだけど」


「…貴方は少しだけ有名ですからね」

「へえ、俺が有名?」

「そりゃそうですよ」


 異能協会のブラックリストに載る超能力者

 人を駄目にする男

 etc…

「貴方の肩書きならいくらでも知ってます」

「『自称完璧』の愛谷」

「『事象艦壁』だよ」

「ペキじゃなくてヘキ」

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