struggle6『封印クライン⑥』
「え?『人助け部』?」
「部活よね?」
「リリーさんがそんなことを?」
HR教室。
この人は1年1組担任キャンディ・ベル。
「はい」
「理事長からエスケープしながら?」
「部活できるのは登校してる生徒だけですよ?」
「はい、俺もこんなことできるわけないって思って」
「できないよ」
「校則(拘束)を見てたんですけど…」
「?」
「なんと」
「これみてくださいこれ」
「んー…?」
生徒手帳にはこう書かれている。
部活動は、登校義務を守る生徒にのみ許す物とする。
なお、封印クラスの生徒の部活動は許 ない。
「…これ、恐らく『許されない』の部分がなぜかちゃんと印刷できてないんですよ」
「そうですね」
「つまりこの生徒手帳は失敗作ってことです」
「…それで校則は無効にならないですよ?」
「それはわかってます…でも」
「これじゃあ『許ない』になっちゃいますよね」
「本来の『許されない』とは意味が違う」
「『訂正』しなきゃいけませんよね」
「!」
「まさかあなた…」
「これを使って理事長室に乗り込むつもり⁉︎」
「はい」
「ダメよ!あなたはまだ理事長に敵わない!」
「…先生」
「戦うわけではありません」
「え?」
昨日ーーー
「2人とも!部活!部活がしたい!」
「どうした急に」
「部活がしたいの!」
「でも確か校則にできないって書いてたぜ?」
「ええ…残念だなぁ…」
「じゃあ校則を消せばいいじゃん」
「…は?」
「何を言ってるの?心裏ちゃん」
「【テレポーテーション】」
「「‼︎」」
「『封印クラスは部活ができない』という一文を印刷しているインクを集める」
「そ、そんなことが出来んのか‼︎」
「ええ」
「なら、もっといいことができるぜ!」
「?」
「どういうこと?クレナイ」
「『印刷のミスがあったことにできる』!」
「そしてそれを口実に理事長室に行ける!」
「…ええ、どうかな…」
「お前のテレポートがあれば理事長室の前まで誰にも見つからずに移動できるし、【クリムゾン】でお前達と『因果』を共にすれば攻撃は通らない!」
「そして、理事長に見せてやるんだ」
「何を?」
「お前達が『部活』をやっても大丈夫なこと!」
「…どうやって?」
「方法は簡単だ………
現在ー
「…なるほど、その方法なら『証明』はできる」
「でも恐らく理事長の納得は得られないでしょうね」
「…その時はもう倒すしかないですね」
「!」
「封印能力者2人と『引き分け師』の俺がいれば…」
「だっ駄目です!!!!」
「そんなのは先生が許しません!」
「…なら」