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ghost82『僕達はダーク・バランス⑳』

「あの時はまさか庵内さんと引き分けるなんて思いもよりませんでしたよ薙紫さん」

「僕もびっくりしました」

「庵内さんが軽く785億回ぐらい世界を消したのにあなた生きてるんですもん」

「…それを数えられるお前もお前だよ」

「いやいや」

「まあ、あの頃は未熟ながらももうマゼンタ・エモーションの回避機能が使えたからな」

「そういや聞きたかったんでした」

「結局なんなんですか?『達成』って」

「さあ…?俺にもよくわからん」

「よくわからん…ですか」

「まあ、それでいいのかもしれないですね」

「理解できる物に庵内さんが負けるわけないですし…それならあの人のプライドも守れるかな?」

「…」

「でも本当に理解できないですね」

「世界を消しても」

「自分が最強だと『設定』しても」

「超高次元から攻撃しても」

「結局あなたは生きてる」

「ボロボロになったけどな」


「まあそんな高レベルな話をしてると」

「炎を放つとか」

「ビーズで防御とか」

「滑稽に見えてきますね」

「皆の前じゃ口が裂けてもいけないですけど」

「そうか?」

「庵内だって炎を使ってたじゃねえか」

「庵内さんは炎なんて使ってないですよ」

「3次元だと炎に見えてるだけです」

「っていうかそういう話じゃなくて」


「わかってるよ」

「属性に囚われてる所から弱さを感じるんだろ?わからないことはないよその気持ちは」

「だけどそれは低レベルの話だぜ」

「…え?」

「本当に賢い人間は」

「弱さは道のりであることを知っている。」

「…あなたは」

「自分が賢いとでも言うつもりですか」

「違うね」

「俺は賢さと愚かさを両方見てきた」

「だからわかる、お前の考えは浅はかだよ」

「皆が庵内みたいに生まれつきの強者じゃない。ほとんどの人間は弱者からスタートするんだ」

「そして環境にもよるが、」

「人間は弱者から強者になる」

「前はたったの防御しかできなかった人も」

「今はたったの全属性しか使えない人も」

「頑張れば」


 ーーーー


 椎名冬空は進化する。

 彼は考えた。既に最高の才能を持つ自分は、

 どうしたらさらに強くなれるだろうかと。

 どうしたら幼馴染に勝てるだろうかと。

 どうしたら封印能力者に勝てるだろうかと。


 強力な無属性の魔法を覚えるか?

 いや駄目だ。それによって起こる事象だって、

 ユーカには勝てても、

 リリーさんに敵うとは思えない。


 なら、リリーさんの真似をすればいい。

 リリーさんのやってることは、

 明らかに氷属性だけではできないことだ。


 では、あと何属性がある?

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