ghost75『僕達はダーク・バランス⑬』
「な、なんだ…?今の音」
「…今のは破壊音…ということは」
紗里嬢が戦っている
ーーーーーー
夏枷遊華&椎名冬空の場合
「ぐ、ぐぬぬ…」
「ふゆりん!大丈夫k」
「ユーカ!怪我は無い!?」
「…お、おう、大丈夫大丈夫…」
「あいつ、強いよ」
「セルフセンタードがいなされた」
「…馬鹿な…そんなわけ…」
「あるよ」
「だって私は強いから」
1人の少女が立っていた。
セーラー服を着た、死んだ目をした少女。
ちょっと笑っている。
異様な禍々しさを放つ剣を持つ。
よく見るとビーズのような物の集合体らしい。
「ちょっと頑張ればなんだって出来るんだよ」
「あなたたちに出来ないことでも」
「私は頑張ればなんでもできるから」
「いつもは適当にしてるけど」
「目立ちたくないから本気は出さないの」
「あなたたちが驚くのも無理は無いわ」
「だって私は本気出せば誰よりも強いし」
「全力で負けることなんてありえないもの」
「だから私が勝ってあなたが負けるのは普通」
「因みにあれさえ本気じゃなかったし」
「どうしようユーカ、ヤバい人だよ」
「何を言っているふゆりん」
「あれはまさしく以前の貴様…を超絶進化させた物ではないか、貴様は黙っとれ」
「おい貴様!『紗里』と呼ばれていたな!」
「うん」「私は『暁 紗里』」
「相殺系防御能力者だよ」
「では紗里」
「貴様にとって、人生とは何か?」
「…」
「…人生…人生ね」
「あんまりはっきりとは思いつかないんだけど」
「十分な睡眠」
「適度な運動」
「健康な食事」
「早寝早起き朝ごはん」
「挨拶」
「いじめはせずけじめをつける」
「人の嫌がることはしない」
「余裕を持って行動する」
「先生の言う事をちゃんと聞く」
「廊下は走らない」
「ぐらいかなー?」
「…貴様、それでは約束に反しているなぁ」
「私達は平等のはずだろう」
「ちゃんと質問に答えんか」
「んー」
「でもさ」
「私は皆んなや皆さんみたいに大義とか無いし」
「叶えたい願いも無いし」
「守りたい物も無い」
ほら
私って天才だから
別に目標が無くても頑張れなくても
気づいたら適当に、全て終わってるの
「みんながみんな、主人公じゃないの」
「ただ主人公をアゲる為だけに生まれてくるモブキャラ、それが私かもねー」
「たまたま地頭が良いけど」
「天才かつモブキャラの私は磨かれない宝石のまま死んでいくのかもねって感じ??」