ghost71『僕達はダーク・バランス⑨』
「あ、ごめん、もう一個いい?」
「僕達を下に見るな。」
すると。夏枷遊華が前へ出た。
「言いたいことはそれだけか?」
「まさか…これからもっと話すよ」
「君達の話し相手も用意してるから」
「そうか」
「…じゃ、開戦でいい?」
「いいよ」
弱肉強食
エターナルスターブレード!!!!
「…紗里ちゃーん」
「君の相手はこの2人だよ」
窓が割れ、外から1人の女が!
クリスタルのような剣で夏枷と冬空を、
吹き飛ばし連れ去
ドオオオオオオオオオオッ
「…」
「どうやらお互い情報は知り尽くしてるな」
「そうだよ薙紫さん」
「お互い長点も弱点もわかりきってます」
「…視聴覚室をこれ以上破壊するわけにもいかない、お前ら、外に出てくれ」
「そですね、ここは僕達の言論の場です」
「出てけよ」
「…」
ーーーーかくして、彼らの言論がはじまる。
言論だけで済めばいいが。
烏丸憂の場合。
「…」
“雑魚は黙ってろ”
“何にも出来ねえくせに偉そうだな”
「…」
「今思えばあいつは俺達の為に言ってたんだ」
「自尊心を正しい方向に向かせる為に」
「わざと悪役になった…ああいうのを、」
「ダークバランスと言うんだろうな」
「そう考えると…」
「いつもそれが出来るお前らはすごい…」
「はずが、ちっとも敬意がわかないんだ」
「どういうことだろうな?」
武士の格好をしている男がいる。
しかし、刀は無い。
「…答えは一つ、『今もそうだから』」
「少なくとも拙者らはそんなに甘くはない」
「本当の本当に縁の下に落ちる」
「誰からか理解されるようならそれは甘い」
「へえ」
「…薙紫の野郎に」
「一つ質問をしろって指示をされた」
「ほう」
「『刀を捨てた武士』茅蜩 黎明」
「お前にとって人生とはなんだ?」
「決まっている」
「傷の多さだ」
手袋をしていたようだが、
それらを地面に落とした。
そこにあったのは、機械の手。
「…⁉︎」
「機械だけに奇怪だろう」
「腕だけではない」
「体のほとんどが機械だ」
「何を隠そう拙者は体の9割が機械」
「元の体は小さい頃に大方削ぎ落とされた」
「まあ、ろくでもない父親を持ったのさ」
…俺と真逆…
「より傷を知る者はより他人を知る」
「その人生哲学を持っていたら、」
ザジュッ
「!」
謎の斬撃が飛んでくる!!
「こんな能力を覚えた」
「…この野郎」