ghost69『僕達はダーク・バランス⑦』
何かに長けていると『技術使い』と呼ばれ、
世界の存在を0秒で破壊できる、
もしくはそういう能力者に勝てれば、
『封印能力者』と呼ばれる。
「心を読んだりすりゃいいんだけどよ」
「まあ、自発的に協力してくれや」
こんなのはもう一択しかない。
逆らえば本当に殺される。
「…薙紫紅を倒すと言っていた」
「詳しい作戦は仲間内でもまだだった」
「だからわからない」
「主体性が無えな…とことん変な連中だ」
「目的は?」
「それもまだ…」
「ただ、庵内という人物が上がってた」
「…庵内?知らねえな」
「うん、この学園の生徒じゃない」
「じゃあ作戦に介入することは無いのか?」
「無さそう」
「使えるのが防御魔法だけってのは本当か?」
「本当みたい」
「でも、1人とんでもないのがいた」
「え?」
「封印能力者」
「…つまり…防御魔法の封印能力…?」
「おいおいマジかよ」
「余裕無くなってきたぜ」
「防御系の封印って概念系より強いんだよなー」
「えっ」
そう。攻撃より防御の方が難しい。
難しい故に強い。
「…まあ、とりあえずこっちきてくれるか」
「えっ」
こ、殺されるのか…⁉︎
しかし向かっていったのは視聴覚室。
この部屋が使われたのは3年ぶりである。
「え…?」
そこにいたのは、薙紫紅、
夏枷遊華、椎名冬空、近藤いつみ、
そして烏丸憂。
こ、このメンツは…
「そう、人助け部のライバルsだ」
「俺もいるけど」
「ダーク・バランスはこのメンバーで倒す」
「な、なんで…?」
「『なんで』か、簡単に言うと、」
「あいつらを倒すには」
「強すぎちゃ駄目だから」
「全く、何が危ない奴らじゃない、だよ」
「一番重要な名前があったじゃねえか…」
巫槍
「あいつほど危ない奴は他にいねーよ」
「ということで」
「ベストメンバーを選出させてもらった」
「そしてそのベストメンバーには君も入ってる」
「えっ私?」
「ああ」
「今すぐ」
「巫に協力する者達の経歴を調べてほしい」
「頼む」
「そうしないと手遅れになる」
「あいつらの人生が」
「ダーク・バランスを正しく理解する人間にならないと、奴らには勝てない。」
「俺が結局倒せてなかったように」
「あいつらを絶対蔑ろにしちゃ駄目なんだ」
ーーーー
「…」
私が頼り…か。
どうしよっかなー…
入学式の日に集めたあのデータ
何円で売ろうか