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ghost67『僕達はダーク・バランス⑤』

 引き金を引けば終わる

 緊張することはない

 そもそも殺し屋になった時点でわかっていた

 生徒を殺すことになるかもしれないと


「…じゃあ、始めていくわよ」

「はーいお願いしまーす」


 引き金を…落ち着け。

 落ち着け。

 バレていたとしても至近距離だ。

 それにアビリティで一切証拠は残らないし、

 そもそもここは阻害地区だし、


「…?まだですか?」

「あーちょっと待ってねー」


「…でも本当に、気をつけてくださいね」

「ここには本当に色んな人がいます」

「すぐ死んでもおかしくないです」

「俺は先生には死んでほしくない」


「ああそれと」

「殺人者とか犯罪者には価値が無いですから」


 今だ!!!!


「だから」





 薙紫紅は銃を掴んで握り潰し起き上がる!


「ーッ!?」

「俺はあんたがそうなってしまったことが」

「とてもすごく悲しい。」



 ーーーーーーー

「…あれ?」「気づいてたのか」


 じゃあ、僕の防御能力、

『具現蒼穹』の出番はないか。


「いい映画やってなかったわー」

「おかえり」「そう…不作だったんだ」

「…ねえ」

「?」

「『事象艦壁』で艦定してくれないか?」

「僕は今『達成』を受けてないか?」

「あ、受けてる」

「…」

「オート発動なんだね、マゼンタ…」

「まあ、だからなんだって話だけど」


 ーーーー


「またのご来店を心からお待ちして…あれ?」

「お客様、いつ頃から」

「ああいいですいいです」

「お金は払いますから」

「従業員の方が倒れちゃって…それでは」

「お!お待ち下さいお客様!」




「…城之内先生…」


 これでまた、俺の理解者は減った。

 これもパターン。20人目。だが、

 パターン化してほしくなかった。

 一体いつまで減るのだろう。


 ーーーー


 翌日。人助け部部室で、

 薙紫紅はしょんぼりしていた。

 そしてそれをチャンスと思ったのか、


 ダーク・バランスは行動を開始する。


「みんな、聞いてほしい」

「聞かなくてもいいけどね」

「ほんとどうでもいいことなんだけど」

「できれば聞いてほしいかなって」


 いいからはやく言え、と声。


「…じゃあまず答えてほしい」

「このなかでイジメに遭ったことがある人」


 バババババババババババババババッと、

 手が挙がる。


「うんうん、さすがダーク・バランスだね」

「みんな辛かったろうね」

「じゃあ次、誰かを憎んでる?」


 しんっ、と、今度は手が挙がらない。


「うんうん。それでこそ僕達だ」

「人を憎まず罪を憎まず」

「ただあるがまま負け続ける」

「それこそが理想的な姿だよね」

「お手本のようだ」



「僕達はダーク・バランスだ。」

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