ghost64『僕達はダーク・バランス②』
「特に危ない奴らでは無い!」
「!?」
その瞬間。
また今日も人助け部に平穏が訪れた。
まあ、つまり、
暇ーーーーーーー。
暇、いう感想を抱けるようになったのは…
達成を手に入れた時から…12,13歳からだろう。
それまでの俺の1日は、
戦う→怪我の手当て→戦う→怪我の手当て
だった。まあおかげで今マゼンタがあるが…
そういえば、俺を何度も治療してくれた保険の城之内先生は元気かな…?えっと…
能力者を相手取るようになってから、
病院に寝泊まりすることになって…
それ以来会ってねえな…
はあ。しかし、
1日2件×365日×5歳から高校入学までで…
合計8030件、どれだけ少なく見積もっても、
10000人以上と戦ってきたのか…
チンピラから始まって、
暴力団を壊滅したりして、
銃撃戦に混ざったりして、
たくさん魔法を浴びてきて、
…
世界設定変換能力者、
庵内湖奈々に出会ったりもしたな…
「感慨深い…が」
「今日は楽しいショッピングの日だぜ」
「楽しまねえと!」
…と。彼はまだこの時気付いていない。
これからその感慨深い過去を、
もっと思い出すことになるとは。
「なあ槍、このサングラスどうよ」
「いいね、すごくいい」
「…本当に…すごく…」
「良い、展開だ。」
ーーーーーーーーーーーーーーー
青春劇は、まだまだ続くー。
新章
ー僕達はダーク・バランスー
その日僕はたまたま、ショッピングモールで薙紫紅に出会った。これは何かの運命だろうか?
そこで、薙紫紅に話しかけようとしたが。
向こうは多分僕のことや、
『庵内さん』のことは覚えてないだろう。
それに、
1人だったはずの彼は誰かと話していたので、
話しかけるのはやめた。
ーーーーーーーーーーー
「ふふ…こんな感じかな…?」
「おい、お前、サングラス見てねえじゃん」
「あ、ごめん」
「いいねそれ、パーティに使おうか」
ーーーーー
因みにここは、永代市街だ。
ショッピングモールもあるなんて有難い。
前ジャック団と戦った時は気づかなかった。
「あれ?薙紫君?」
「!」
い、今、話しかけられ…
『杭』『召喚』『☆☆☆☆☆(星五つ)』!
振り向き、喉元に杭を
「…ってあれ?城之内先生?」
「お、ひさしぶり…薙紫くん…」
ーーーー
「ねえキャサリン」
「なんで『危なくない』の?」
「『ダーク』とか名乗ってるんでしょ?」
「うむ。しかし」
「奴らは『防御魔法しか使えん』」
「えっ」
「危害を加えられない悪」
「それが、『ダーク・バランス』じゃ」
「奴らは、言葉で人を闇へ誘う」