struggle3『封印クライン③』
「なんなの?」
「なんなの?」
「なあ『時破田心裏』」
「お前なんでそんな重要なこと言わないの?」
「な、なんの話?」
「もう隠しても遅いぞ」
「リリーのクラスメイトってことは…」
「『封印能力者』ってことだよな!!!!」
ぎくっ
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teleportation=crimson
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「で?」
「お前ら、2人で逃げ出したの?」
メガネに、
ふわっとしたツインテール、
髪の毛は茶髪の『時破田心裏』
時破田が苗字で、
心裏が名前。
昨日たまたま助けた彼女は、封印能力者だった。
なんてこった。
「いや、私の方が先に」
「で、リリーの封印をちょっと解いてきた」
「なんで」
「『刻印』が『焼印』に見えたから」
「まあただの魔法陣だったけど」
「まあ、同じ女子としてはほっとけないな」
「でもな、時破田」
「俺が言ってるのはそういうことじゃない」
「なんでそんなことを黙ってした?」
「教師側から見たら…」
「『封印制度』に喧嘩売ってるように見えるぞ」
「…あなたが言う?」
「…確かに…」
そういやさっき喧嘩売ってきたばっかりだったな…
「封印なんて間違ってる」
「それは誰が見てもわかること」
「でも誰も何も言わない」
「あなた以外は何も言わなかった」
「だから、私が動くしかない」
「リリーもよ」
「私たち2人は『封印』がだいっ嫌い!」
「…うん」
時破田心裏は言う。
「私はもっとJKしたいの!」
リリー・シエル
「私は部活がしたい!」
「なるほど…」
「…」
「じゃあ、お前らも俺と同じだったのか」
「「?」」
「俺が天角学園に来た理由は3つある」
「1つ目は【クリムゾン】の能力」
「2つ目は『青春』するため」
「「!」」
「青春…!」
「3つ目は『粛清するため』」
「「⁉︎」」
「どういうこと⁉︎」
「なにそれ」
「『天角学園を、粛清する』」
「全員粛清して『ちゃんとした学校』にする」
「えええ…」
「あ、そういう…」
「お前らの言うことはよーくわかった」
「目的は同じだ、協力しよう」
「やったー!」
「やったね心裏ちゃん!」
「だがお前ら、出てけ」
「あんまり俺に近づかない方がいいぞ」
「?」
「ああ大丈夫だよクレナイ」
「【クリムゾン】の感染を気にしてるんでしょ?」
「‼︎…」
「なんでそれを知ってるんだ?」
「『檻』の中で聞いてたんだよ」
「クリムゾンは『正でも負でもないゼロの感情』だって…1人になるのもわかるよ」
「感情は伝染するものだもんね」
「ああ」