ghost54『透明色の淵源①』
…にしても
霊技を覚える以外にクリムゾンの反応が無い…
俺がここでこれを覚えなきゃ勝てないような敵が出てくるからクリムゾンに呼ばれたのか?
それだけの為に?
でもそんな奴って…
…いや、1人だけいたな。
あいつのことだけは思い出したくなかった。
そいつとか
生徒会長とか理事長とか
もしくは俺の知らない誰かと敵対するのか
なんにしろ最悪だ
みんなを逃がす方法を考えとかなきゃな
…!
こ、この記憶は…⁉︎
ーーー
まったまた時は遡る。
逆転能力『イースターフール』の使い手にして、
人助け部5人目の部員、
シモン・ルイスの元にも招待状が届いていた。
そして机には3つの置き手紙。
①
ごめん。クリムゾンで呼ばれた。
↑ついていってるのじゃ。
②
3時間で帰る
③
ちょっと待っててね
「…」
「これ、おかしいな」
朝から誰もいない。僕以外1人も。
今まで暇過ぎることはあっても、
その暇を楽しむ人達がいた。
つまり部室に人がいないというのはおかしい。
頻繁にドリンクバーを使いにくる美樹先生や、
時破田さんに勝負をふっかけにくる林道君、
資料整理にここを使ってる烏丸君までいない。
「…どうやら招待状は人助け部全員に配られた」
「いや、関係者にもかな」
「そして差出人はそれぞれ違う…ってことか」
「…嫌な予感しかしないけど」
しかし無視をすればしたで後が面倒だ。
天角学園に襲撃に来られでもしたら困る。
だから、
この招待状が配られた時点で、
僕達を招待して学園から遠ざけようとしている奴らの手の中、そう、僕達はこれを無視できない…
…まあでも何か起こってもなんとかなるだろう。
僕達は死すら覆せるんだから。
この認識は少し甘かった。
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長い
を
短い
に
逆転する
「『イースターフール』」
「ここが僕への招待状を出した…」
「忍術の里か」
森の中、森の奥、森だらけのこの場所。
一見。そこは人の住む場所には見えない。
が、よく目を凝らしてみると、
ある。家の照明らしき物が。
ここの木は全て穴が空いている。
その中で生活できるようになっているようだ。
照明が無ければ発見できなかっただろう。
家だけじゃない。
よく見たら人間もいた。
ナナフシかよ。
「人造人間ってのはまたよおおおう」
「面倒くせーの押し付けてくれたよなあああ」
「!…誰だ!」
しかし、いない。
「…?」
「今確かに声が…あれ?」
後ろで剣を構える影。