ghost53『殲士駆動⑪』
が。
「。。。な。。何故。。。。。」
「何故平気でいられる⁉︎」
時破田心裏は普通に立ち上がった。
打撃の跡は、無い。
「…拳を見たらわかるよ」
「!。。。これは。。。!」
手が赤くなっている。馬鹿な!
生まれてこのかた手を痛めたことなどなかった。
それが何故!?
「知らなかったかい?あたしは元々、」
「能力を使わなくても鋼の肉体なんだよ」
「⁉︎」
「『超能力』でなくてもそうだよ」
「例えば魔法だ」
「素人の攻撃が大魔導士に通じると思う?」
「。。思わない。」
「そうねつまりそういうことよ」
超能力に魔法で言う魔力のような存在は無い。
だから、そこでの差が起こることはない。
全員が平等な地点でスタートする。
そこからの環境によって強さが変わる。
魔法よりも大きく。
「幼い頃から親のせいで迫害されまくった」
「だからこの強さがあるんだよ」
「使わずとも超能力者を退けさせる程の強さが」
「。。。」
「君が那由他ならあたしは無量大数だ」
「…」
「まあ、あたしの殲滅は諦めるこった」
「。。。待ってください」
「待てないね、もう一通り見たし帰るよ」
「。もう一度本気を」
「さっきのが本気だったんだろ?」
「。。。」
「…まあでもそんなに言うなら」
「心地よく負けさせてあげよう」
「?」
「あたしには確かに鋼の肉体がある」
「超能力をほぼ通さない鋼の肉体が」
「でも使ったのはそれだけじゃない」
「!」
瞬間。
同じく鋼の肉体を持つ彼に、
衝撃が与えられる!!!!
「。。。。ぐっ⁉︎。。。」
「『テレポーテーション』」
「那由他弾那由他式那由他斬を貴方に送った」
「これで正真正銘、あたしの勝ちね」
「じゃ!」
時破田心裏は満足したようで、
レイバードを去っていった。
ーーー
キャサリン・ヴァルキューレは言った。
“くれない、お主はここに残れ”
“『霊技』を身につけられたら連絡をくれ”
“迎えにゆく”
“なあに、霊技には経験値が存在しない”
“習得にそれほど時間は食わん”
“異能に触れてきた上に格闘技もやってたなら”
“かかってもせいぜい5分じゃ!では!”
「爺さん!早く早く!」
「焦らんでくれ。早くはできない」
「スティグマから力を取ってるのか?」
「違う。記憶を取っている」
「過去の異能の記憶が残されているのだ」
「記憶?記憶でなんになるってんだ!?」
「異能適正のあった者の記憶を取り込み、命を世界中のスティグマに預けることで異能の所有権を手に入れる」
「それが霊技だ」
「!…記憶が流れ込むぞ!気をつけろ!」